社会インフラの
スマートな保守・運用
通信基盤設備を含む社会インフラの課題解決により、スマートワールドの実現を目指す取り組みです。
地中埋設物の所在は道路線形(歩車道境界等)との相対位置管理となっています。道路拡幅等により道路線形に変化があった場合、地中埋設物の位置が分からなくなってしまい、社外工事等において設備を損傷させてしまう恐れがあります。そのため、基盤関連工事では工事立会や試掘が必須となり、多くの稼働を必要としています。
NTTでは管路内センシングや地中レーダによる埋設物の位置情報取得技術を確立し、基盤設備情報、点検情報の絶対座標管理(3D化)による設備管理業務の効率化の実現をめざします。
人々の生活や産業を支える社会インフラは、老朽化の進行や熟練作業者の減少という社会的動向から、点検診断作業の効率化が喫緊の課題です。これらの課題を解決するため、AIを活用した劣化診断の自動化により、人による作業を支援・自動化できる革新的な点検診断技術の確立をめざします。具体的には、設備の撮影画像からコンクリートのひび割れ・亀裂・腐食の高精度な検出や大きさ計測、鋼材の腐食の深さ推定、道路標示線の剥離判定といった街中の様々な設備の検査が可能であり、業務の効率化やライフサイクルコストの最適化を実現します。
情報通信サービスは、国民の生活を支える重要なライフラインであり、大規模な災害により被災した場合、甚大なサービス影響の懸念があります。特に豪雨災害は近年激甚化しており、予報などを基に被災規模を推定することで、事前の準備を行うプロアクティブな対応がサービス維持に重要な役割を果たすと想定されております。
このため豪雨や地震による被災実績を基にして、どの設備が被災しやすいかを判定し、災害時の被災規模を推定する被災予測技術の開発に取り組んでいます。
基盤設備の多くは道路下に埋設されているため、点検や補修といった維持管理に多くの時間やコストがかかります。
このため、設備それぞれに対し安全な範囲でライフサイクルコストがミニマムとなる点検・補修を見極めることが求められています。構造物に使われる鋼材の劣化(腐食)状態を設置されている環境や設置後の経過年数から予測をしたり、その劣化状態を含めた構造解析を行うことで、個々の設備に最適な点検タイミングや補修の要否を評価することに取り組んでいます。