アクセスシステム技術

波長を柔軟に活用した多様な光サービスを
迅速にお届けするネットワーク

より高速で低コストな光ファイバ通信サービスをお届けするための取り組みです。

取り組み

アクセス伝搬技術

光アクセスネットワークは、これまで、FTTH(Fiber To The Home)と呼ばれる家庭向けブロードバンドサービスの基盤として発展してきました。今後は,次世代モバイル通信のアンテナや、工場の機械、各種のセンサー、交通システムや電力システムなど、あらゆるものをネットワークにつなげるための共通のアクセス基盤に進化してゆくことが期待されています。これを実現するために、光アクセスの伝送性能をさらに飛躍的に向上させる技術の研究を行っています。具体的には、光アクセスネットワークの大容量化を実現する波長多重技術や、デジタル信号処理を光ファイバ通信に応用し、長距離化を実現するデジタルコヒーレント技術に取り組んでいます。

10G-EPONシステム高機能化技術

10G-EPON(10 Gigabit-Ethernet Passive Optical Network)システムは、10G級高速サービスを提供する光アクセスシステムです。
GE-ONU(1G)、10G-ONUの混在収容に対応した1G/10Gデュアルレート光トランシーバやDBA(Dynamic Bandwidth Allocation; 動的帯域割当)機能によって、既存の光アクセス設備(光ファイバ網、光スプリッタなど)の有効活用を図り、経済的な設備構築を実現しています。
またシステムの冗長性を確保しており、故障が発生した場合においても、自動で冗長系へ切り替わる「N:1プロテクション」機能によって、光サービスの継続を可能とし効率的な保守・運用を実現しています。

映像配信技術

地上デジタル放送信号、衛星放送信号などの多チャンネルの映像信号をFTTH 網によってお客様宅まで伝送するために、「FM 一括変換方式」の研究開発を行っています。多チャンネルの映像信号をすべて一括して広帯域なFM 信号に変換してから光信号で伝送し、光中継分配装置で光信号を増幅・分配しながら伝送し、お客様宅の光終端装置で元の多チャンネルの映像信号に復調してテレビに入力します。FM 一括変換を行わずに映像信号をそのまま光信号に乗せて伝送する方式(強度変調方式)と比べて、より高品質で長距離区間の伝送が可能となります。

仮想化・部品化技術

従来FTTH (Fiber To The Home)が主なターゲットであった光アクセスシステム技術ですが、近年この技術をモバイルアンテナの通信ビルへの接続や社内・大学内LAN等の新たな領域に適用しようという動きが活発化しています。
これらの領域では、通信品質、電力、設置サイズ等の要求条件が異なるため、通信装置のソフトとハードを分離しそれらを柔軟に組み合わせることで、様々な要求に対応することを目指しています。
その取り組みの一つとして、これまでブラックボックスであった通信機能(動的帯域制御機能*)などをハードから分離し、汎用CPU上で動作するソフトとして実装し、さらにハードとソフトの間のインタフェース(API)を標準化しました。これにより、ソフトウェア部品化したネットワーク機能群と、ボックス型/モジュール型などのハードウェア機能群との、適用先に応じた最適な選択を可能にしています。
*動的帯域制御機能:信号衝突を回避するための通信システムの性能を司る機能

その他研究内容