宅内光配線・施工技術
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図に示す宅内光配線の工事では、他のお客様との共用部分が無いことからコスト、作業性が重視されています。このため、特殊技能が不要で効率的な作業(DIYやPlug & Play)が可能な光配線・施工技術の開発が行われました。
(1)光配線を容易にする曲げフリー光ファイバコード
宅内の光配線向けに、ホーリーファイバを用いることでメタルと同様に曲げを気にしないで配線できる曲げフリー光ファイバコードの開発を2006年に、また機器まで配線に用いられる光ファイバカールコードの開発を2005年に行いました。
先駆的な開発として、2003年に窓ガラスを介して光配線を宅内に引き込むガラスエクステンダ配線法の研究開発が行われましたが、近年では曲げに強いホーリーファイバを用い、壁への穴開けが不要で窓やドアの隙間へ沿わして構内配線が可能な隙間配線インドア光ケーブルが開発され、2011年から事業導入されています。
(2)短時間でのコネクタ付け可能な外被把持コネクタ
現場で光ケーブルへの光コネクタ取り付けに時間のかかる光ファイバ研磨やファイバ融着接続を排し、短時間でできる宅内向け外被把持コネクタ(FAコネクタ)の開発を2005年に、現地組立型の架空用光コネクタの開発を2006年に行いました。
以上のように光コード、光コネクタと、それらの接続点にある光キャビネット、光ローゼットを曲げフリー光ファイバコードと外被把持コネクタ対応にすることで、宅内配線工事のDIY化やPlug & Playが可能になりました。なお、フロアへの光ケーブル配線については、1997年に開発されており、メタリックの折り曲げ可能な平型フロアケーブルは1982年に開発しています。
(3)信頼性・施工性向上を図った宅内引込み設備
曲げに強いファイバ(ITU-T G.657 A2)をベースとした細径ドロップ光ファイバの開発により、カラス対策防護を不要とる技術を確立しました。また、インドアでは、モールを不要とするフラット型インドア光ファイバや鼠対策を施した高強度インドア光ファイバ等を開発しました。さらに、ターミネーションコネクタおよび外被把持スプライスでは、整合剤の固形化をはかり、宅内引込み設備の信頼性と施工性を向上させました。あわせて、把持部材の共用化により物品統合を実施しています。
(4)美観向上を追求した露出配線設備
建物に配線する光ケーブルです。釣り糸のように細く透明であり、露出配線時に目立たず、配線の美観向上が図れる透明光ファイバを開発しました。細径かつ透明であることに加え、屋内のみならず屋外への配線も可能です。また、くらしや社会を豊かにするデザインが認められ2015年度グッドデザイン賞を受賞しました。