光開通工事ができない要因の1 つに、露出配線により美観上NGとなることがあります。そこで、美観上の課題解決のために多様な壁面に調和可能な透明光ファイバを開発しました。
また、くらしや社会を豊かにするデザインが認められ2015年度グッドデザイン賞を受賞しました。
NTT持株会社ニュースリリースはこちら:https://group.ntt/jp/newsrelease/2015/09/29/150929a.html
(1) 透明光ファイバ
美観向上を追求した結果、従来の黒や白といったケーブル外被の色彩を透明化し、形状も従来のケーブルより細径のφ0.9㎜円形状にすることとしました(図1 )。また、ドア隙間への配線を可能にするため、現行のR15対応の光ファイバからさらに曲げに強い光ファイバとしてITU-T G.657 B3をベースとした空孔アシスト光ファイバ(HAF: Hole-AssistedFiber)を適用しました。ドア枠の凹凸部には約2〜3mmの隙間と約2mmの小曲げ部があります。そのような条件のもと、透明光ファイバをそのまま配線してしまうと光損失増加量が大きくなってしまいます。そのため、嵩上げ用のチューブに透明光ファイバを通してから配線することで許容最小曲げ半径を確保しました。この嵩上げ用チューブも美観を考慮し、色彩は透明としました(図2 )。
(2) 透明光ファイバ用コネクタ
透明光ファイバは現行のドロップ光ファイバやインドア光ファイバに比べ細径および形状が異なるため、現行の外被把持型コネクタに取り付け可能な透明光ファイバ専用のアタッチメントを開発しました。透明光ファイバにアタッチメントを取り付けた状態で外被把持部材にセットすることで、現行の外被把持コネクタの形状を変更することなく、把持させることが可能となりました(図3)。
また、昨年度(2014年)開発した固形状屈折率整合剤を適用することで空孔アシスト光ファイバの接続を可能としています。