
本展示では、岩手医科大学との共同研究として取り組んでいる(※1)「身体性オンライン面会システム」を紹介しました。

本システムは、早産や低出生体重などを理由に、新生児集中治療室(NICU:Neonatal Intensive Care Unit)に入院中の児とその家族を対象に、映像や音声に加えて児の心拍情報を振動として伝えることで、離れた場所にいてもつながりを感じられる新しいオンライン面会体験の実現を目指すものです。
入院期間中の家族の触れ合いは、退院後の家族関係の構築に重要であるとされていますが、地理的な理由や時間的な制約など、さまざまな要因により頻繁に面会することが難しい家族も少なくありません。
このような状況においても、遠隔地から児の心拍に同期した振動を感じながら身体性を伴って面会することで、家族の不安感の軽減や愛着形成に関する課題にアプローチし、家族のWell-beingに寄与できると考えています。

※1:本共同研究は、コミュニケーション科学基礎研究所が主体となり、社会情報研究所が共同研究メンバーとして参画しています。
展示では、来場者に実際にシステムのデモを体験していただきながら、家族の心理的な負担軽減やコミュニケーション支援に関する研究の取り組みを紹介しました。
来場者からは、「人に寄り添う技術として意義深い」「日本らしい発想で興味深い」といった感想が寄せられました。
また、アメリカならではの利用シーンや社会的ニーズに関する意見も多く寄せられ、技術的な新規性だけでなく、人と人とのつながりを支える研究として高い関心を集めました。
さらに、日本国内とは異なる視点からの意見やユースケースに関する提案も得られ、研究成果の社会実装や国際展開を考える上で貴重な機会となりました。
本記事では、Upgrade 2026に出展した「身体性オンライン面会システム」について紹介しました。
Well-being研究プロジェクトでは、本システム以外にも振動を用いた触覚コミュニケーションの研究に取り組んでいます。
身体性を伴う遠隔コミュニケーションを通じて、離れた場所にいる人と人、人と場所が自然につながるWell-beingな未来の実現を目指しています。