コンセプト Our Concept

わたしたちは、Social Well-beingを考える中で、「自分だけではなく、周りの人の幸せも同時に考える」ような哲学的概念に着目しています。このページでは、Well-being(持続的Well-being)、Social Well-being、Self-as-Weの関係を説明します。
Well-being(持続的Well-being)、Social Well-being、Self-as-Weの関係を図で示したもの

What is Well-being? Well-being
(持続的Well-being)とは

Well-beingとは、「well=よい」と「being=状態、あり方」が組み合わされた言葉で、その人らしく、いきいきと生きるあり方や、心地よくいられる状態を示す概念です。
工学的な視点から、Well-beingは
  • 医学的Well-being(病気やけががなく心身の機能が不全でないこと)
  • 快楽的Well-being(現在よい気分であること)
  • 持続的Well-being(その人としていきいきと生きること)
の3つに分類されます。
わたしたちは、情報通信企業として、どこに居ても、誰もが「持続的Well-being」を感じられる社会をめざして研究開発に取り組んでいます。
「良い状態」と「悪い状態」が時間経過によって変化することを示した図

What is Social Well-being? Social Well-beingとは

わたしたちは、個人を他者から独立した存在とみなしたWell-beingではなく、複数の個人の自律を担保しつつもそのつながりから集団のよい状態が実現されるWell-beingを「Social Well-being」と定義し、これを可能にする社会をめざしています。つまり、一人ひとりが自分らしく生き生きといられることと、集団全体としてもよい状態であることのバランスがとれている状態をめざします。
集団内の人々とどのように関わりたいかは、人によって異なります。またそれぞれの人の得意なことや好みも多様です。そのため、それぞれの人がその人らしくいられると同時に、集団を構成する他の人々の価値観や行動スタイルを互いに尊重できる状態をつくり出すことが重要と考え、「Self-as-We」という考え方に基づく研究を進めています。
集団の調和と個人の自立のバランスが「Social Well-being」を構成するイメージ図
Self-as-Weとは
わたしたちはSocial Well-beingの概念として、京都大学の哲学者である出口教授が提唱するSelf-as-We(「われわれ」としての「自己」)に着目しています。Self-as-Weには「自分だけではなく、他の方の幸せも同時に考える」という特徴があります。この概念を利用することで、「自己」を従来の独立した個人としてイメージするのではなく、「われわれ」の中の一員でありつつ、自律した「わたし」をイメージするような自己観を説明することができます。例えば、ある個人が「チームの成功・失敗も自分事のように感じられる」というような感覚を抱くことがSelf-as-Weを感じているということになります。
「Self-as-We」の概念図

Specifically... Social Well-beingを
サッカーで例えると?

Social Well-beingをサッカーチームを例にとって考えてみましょう。

怖い監督がにらみを利かせる中、一切の自由がなくストイックに練習させられるチームは、チームとしての統制はとれていますが、個々のメンバーのWell-beingは考慮されません。
反対に、個々のチームメンバーが好き勝手に個人練習ばかりをしているチームは、個々のメンバーにとってはWell-beingかもしれませんが、チームとしてはまとまらず、大事なところで連係プレーが機能しないかもしれません。
個々人が好き勝手でまとまりがないチームと統制が取れているが自由がないチームの図
では、選手が自律的に目標を定め、練習メニューをコーチに提案し、アドバイスを求めるチームならどうでしょうか?
わたしたちは、このようなチームが最終的にチーム全体としてもよい結果に繋がるのでないかと考えています。サッカーでは、選手個々の高い技術だけでなく、選手同士の連係が必要となります。長い練習期間中、さまざまな個性を持つ選手達は常に関わり合い、時にぶつかりながらも、 徐々に信頼関係を築いていくことが考えられます。価値観や行動パターンをお互いに理解しあい、尊重・信頼できているチームでこそ、よい連係プレーが生まれるのではないでしょうか。

つまり、個人の自律性を尊重しながら、集団としてもよい結果へつながる状態をつくり出すことが、めざしたい姿です。
Social-Well-beingなサッカーチームの図

研究方針 Our
Approach

Social Well-beingな社会の実現に向けた研究について紹介しています。“わたしたち”としてつながることを「支援する」、“わたしたち”の状態を「測る」、これら2つの技術を用い、様々なステークホルダーと研究・実践を行っています。