地球と社会・経済システムの包摂的な平衡解の導出
私たちは、地球の環境が備える自律性とその一部としての経済・社会システムの自律性が包摂的に調和することで可能となる持続性を「包摂的サステナビリティ」と定義しています。包摂的サステナビリティの実現に向けて、環境と経済、社会の間の複雑な相互作用を理解したうえで政策の影響評価をしていくことをめざしています[1]。
地球規模の環境と人々の経済活動は各々、長年にわたる観測により得られた過去から現在のデータに基づき、モデル化され、現在から未来を予測するためのシミュレーション技術として発達してきました。
しかし、実際の地球規模の環境と人々の経済活動の関係を予測するためには、さまざまな領域が複雑につながっているがゆえに、単領域のシミュレーションのみで精緻な予測を行うことは困難です。
同様の課題は工業生産の分野でも存在し、いくつかの単領域のシミュレーション技術を連成し、System of Systemsとして解く試みが行われています。しかし、地球規模の環境かつ、人々の経済活動も対象とすると、膨大な計算量だけでなく、シミュレータ間の結合に関する課題も多く、まだ実用化されていません。
我々は、異種シミュレータを結合するために欠かすことが出来ない技術開発に取り組んでいます。
技術詳細については、下記をご参照ください。
[1] 地球・社会・個人間の調和的な関係が築かれる未来社会の実現に向けて~デジタルツインコンピューティングの4つの挑戦~, NTTニュースリリース 2020/11/13
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NTT宇宙環境エネルギー研究所では、社会課題の解決に向け、エネルギー、環境分野をはじめとして、情報科学、人文系、社会科学系を含め多様な人材を募集しています。