NTTの災害対策技術とは?-通信インフラを守る技術の紹介

目次

災害対策技術とは?

大規模地震、台風、集中豪雨など、自然災害が頻発化、広域化、激甚化し、社会的な課題となっており、通信サービスにおいても大規模な災害による通信ビルやケーブルの損傷によりサービスの提供に支障をきたす事例が増えています。近年、通信サービスは、社会インフラとしてその重要度がますます大きくなっていることから、NTTは、災害時にも安心安全な通信インフラが維持できるよう、災害を未然に防いだり、迅速に復旧するための災害対策技術の研究開発を進めています。

現在の防災対策

通信設備に大きな影響を及ぼす地震への対策は不可欠であり、地震の通信設備への影響を最小限にとどめるための耐震対策の技術の研究開発を進めてきました。
また、被災地においてより迅速に通信回線を提供できるようにするために、インフラ衛星通信システムで使用する衛星通信地球局の小型化・軽量化を進めてきました。この小型衛星通信地球局では、自動車に搭載して運搬する車載型アンテナのほかに、複数の運用者が手で持ち運ぶことができる可搬型アンテナを開発し、機動性と迅速性の向上を実現しました。

通信基盤設備の耐震対策イメージ
通信基盤設備の耐震対策イメージ
車載型アンテナ
車載型アンテナ

災害時の復旧優先度算出技術

近年、災害の発生時における通信サービスの復旧業務の迅速化が課題となっています。オペレータは、被災地域のネットワーク設備情報や社会情報(道路状況・災害状況)等を収集し、刻々と変わる状況に応じてどの設備を優先して復旧するかを判断する必要があります。本技術は、限られたリソースの中で通信サービスを速やかに復旧するために、ネットワークリソース管理技術によって算出した設備の重要度と社会情報を組み合わせ、多くのユーザを救済可能な復旧プランを生成することで、オペレータの情報分析・判断を支援します。

災害時の復旧優先度算出技術
災害時の復旧優先度算出技術

多様な災害に対するインフラの被災予測AIを構築

通信インフラは地震や豪雨といった災害による影響を考慮した上で構築していますが、近年、災害規模も豪雨等を中心に激甚化しており、大規模な災害が発生する場合があります。これらに対し想定地震動や早期に得られる雨量等の予報などを基に被災規模を推定し、事前の準備を行うプロアクティブな対応により減災、早期復旧が可能となります。
NTTは通信インフラに対してNTTグループが各地で過去から蓄積した設備被災データと全国で整備されている地形や気象等の公開データを組み合わせることで、こうした課題を解決する被災予測AIを構築しました。この技術は90%前後の精度を有しており、全国で特別な現地調査の必要なく設備個々の被災を高精度に予測できます。

被災予測AIの概要
被災予測AIの概要

まとめ

NTTの災害対策技術は、災害時にも信頼性の高い通信インフラを提供するために、日々進化しています。AI等の最新の技術を活用して、災害が発生した際にも迅速かつ効率的に情報を収集・分析し、通信サービスの早期復旧を支えています。これらの技術は、私たちの日常生活や災害時の安全を裏で支える重要な役割を果たしています。
今後もたゆまぬ技術革新により、つながり続ける通信インフラを実現や社会インフラのレジリエント化実現が期待されます。

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ねえ、災害のときって、どうやってすぐに通信が回復するの?

それがね、NTTの技術が裏で活躍してるんだよ!例えば、地震が起きたら、特別な機器で壊れた通信機器の状態をすぐに把握できるんだ。

そんな技術があるんだ!すごいね!
衛星通信が災害の時に役立つって聞いたけど、それはどうして?

衛星通信は、地上の通信がダメになっても、宇宙を経由して通信を届ける仕組みだよ。だから、災害が起きても確実に情報を届けることができるんだ。

なるほど!見えないところでそんな技術が働いてるなんて、安心だね!