研究開発内容




私たちは「ICTにより高度化する社会システムや人間社会の変革と発展を目指し広範な社会価値、セキュリティ、プライバシー、倫理、法律・制度等について研究を行う」ことをミッションとして掲げています。このミッションが実現される将来像として「世の中のあらゆる情報を安全・公正に活用することにより多様な社会価値を創出し、誰もがその人らしく暮らせる豊かな社会を実現する」をビジョンとし、以下に示す4領域を重点領域として、研究開発に取り組んでいます。









Social Well-being

人と社会の Well-being の実現に取り組む研究です。「われわれとしての自己(Self-as-We)」に基づき、個人だけでなく集団としての幸せの追求も重視しています。Well-being な社会を共創するデザインフレームワークや Well-being を支えるデジタル社会ルールといった人文・社会科学的知見に資する研究や、持続的 Well-being に資する内発的行動変容の支援技術やより幸せな世界の実現に向け ICT で人々の多様な活動を自律的に支援する環境構成技術といった技術的基盤に資する研究を進めています。

キーワード

  • デザインフレームワーク、デジタル社会ルール、行動変容支援技術、ディジリアル社会基盤構成技術

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トラスト基盤

世の中のデータをうまく守りながら活用することを目的とした研究領域です。GDPR (EU 一般データ保護規則)への対応など、個人情報をいかに保護しながらデータを流通させるかはここ数年のテーマです。関心が高まっている DFFT(Data FreeFlow with Trust:信頼性のある自由なデータ流通)にも貢献したいと考えています。暗号化した状態で計算処理を行うことでデータ処理に関するガバナンスを実現する技術や、量子計算機でも解読できない暗号技術を用いて大容量・低遅延のデータ通信を安全に行う技術、透明性をキーコンセプトにセキュリティの可視化によってサプライチェーンのセキュリティリスクを低減する技術などの研究を進めています。

キーワード

  • トラステッドデータスペース技術、秘密計算AI技術/連合学習技術、セキュアマッチング技術/匿名データ合成技術、サンドボックス技術、セキュリティトランスペアレンシー確保技術、セキュア光トランスポート技術

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サイバーセキュリティ

サイバーセキュリティの領域では、国家レベルで行われる攻撃への対策も必要とされる状況となりました。重要インフラを停止させるような攻撃への対策は重要なテーマです。また、最近では機器の脆弱性を突く攻撃への対応に加え、誤操作を誘うような「人の脆弱性」を突く攻撃への対策も研究しています。このほか最近の重要なトピックとして「AI を守る」研究があります。学習データや AI そのものに対する攻撃によって AI が意図しないものに変化する、また AI が不正にコピーされ利用されるといったことを検知するため、「AI の同一性」の検証を可能にする研究開発に取り組んでいます。また、社会研には NTT の代表CSIRT(Computer SecurityIncident Response Team)で国際的な CSIRT の集まりである FIRST のメンバーである NTT-CERT があります。脅威情報分析技術やインシデント対応技術などを研究しています。

キーワード

  • 次世代インテリジェンス基盤、サイバー攻撃の対策、人の脆弱性の対策、大規模NWフロー解析、ブラックリスト

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セキュリティ基礎CoE

セキュリティ基礎 CoE は基礎暗号理論を研究する領域です。NTT 研究所が 40 年に渡り取り組んできた実績のある研究領域であり、暗号理論分野において優れた研究員が多数在籍、世界の暗号研究を牽引しています。最近は量子計算機が実用化されても安全にデータを守ることが重要なテーマとなっており、たとえば量子計算機で解かれてしまう素因数分解や離散対数問題を用いない鍵交換や電子署名方式の研究に取り組んでいます。適用領域としては、たとえばデジタル公共サービスがこれらの暗号を必要としており、ここにフィットする暗号を実現することも強く意識しています。

キーワード

  • 耐量子計算機暗号の理論確立、暗号プリミティブ・プロトコル構成理論の構築、汎用量子計算機が普及した未来の新たなセキュリティ

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