TsuKuBa 年史-TsuKuBa History -

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PIT新管路方式(ケーブル収容管再生技術)の橋梁区間への適用拡大

2017年(平成29年)

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PIT新管路方式†(以降、PITという)は地下管路区間のみの適用でしたが、検証の結果、橋梁区間(橋梁を含む管路区間)に適用可能であることを確認しました。これにより被災し易い箇所の1つである橋台背面の耐震化が可能となりましたので紹介します。

(1) 背景
この技術は2013年に導入し、2016年までで全国で約44kmの施工実績がありますが、橋梁区間については地震時の道路橋の挙動や温度変化等に対する追従性に課題があり、適用対象外となっていました。一方、既往の大地震において、橋台背面の沈下(図1)や橋台際での継手の座屈があり、橋台背面は管路被害箇所の中でも被災し易い箇所の1つであることが特定されたため、PITの橋台背面への適用拡大が望まれていました。

橋台背面の被災例(沈下)

図1 橋台背面の被災例(沈下)

(2) 適用形態と適用検証
本技術の橋梁区間への適用形態を現行のPITと同様のマンホール間を引き通す形態とし(図2)、下記の課題について検証実験を実施しました。この結果、PITを橋梁区間へ適用可能であることを確認しました。

課題1 地震被災時におけるケーブルへの影響
地震時の添架管路被災事例として、地震によって管軸方向に荷重がかかることにより橋梁添架管路の継手の抜けや、継手に接続された管体部分の破損が確認されています。そこで、管軸方向に変位する挙動により、PITで用いる部材及びこれに収容されている通信ケーブルに影響が無いか検証を実施し、問題が無いことを確認しました。

課題2 設置環境による課題
橋梁添架管路は地中とは異なり暴露環境であることから、日光や気温変化の影響を直接受けるため、通常地中では想定していない影響がある可能性がありました。そこで、想定される最大の温度変化を加え、PITで用いる部材への影響について検証を実施し、問題が無いことを確認しました。

橋台背面への適用形態

図2 橋台背面への適用形態

†:ケーブルを収容した老朽管路を補修し、新たなケーブル収容空間創設と設備の信頼性を向上する技術
技術の詳細は『ケーブル収容管再生技術』及び『ケーブル収容管補修技術(PIT新管路方式)による既設設備の耐震性』の項をご確認ください。

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