2011年3月11日に東日本を襲った我が国の観測史上最大となるM9.0の大地震は特別なケースであるとしても、地震大国である日本では、通信設備の耐震対策は重要です。
アクセスサービスシステム研究所では、これまでも地震災害に対する地下設備の耐震技術に関する開発を継続して行ってきました(図)。
耐震技術の中で、ケーブルを収容した状態の不良管路を非開削により再生し、複数のケーブルを収容する空間を確保するケーブル収容管補修技術は、地震動や地盤変状に対して、ケーブル被害を軽減できる耐震対策として効果があることが明らかとなりました。
ケーブル収容管補修技術により補修した管路の耐震性能について、解析手法と実験により確認しました。
解析手法としては、地中線状構造物の地震解析に一般的に用いられる応答変位解析法(地下構造物は地震による地盤の変形に従って振動するという特性に基づき、地盤の変形を地震外力として入力する耐震計算法)を応用した解析手法を考案しました。
また、実験では、地震動の衝撃に対して、ライニング材に影響はなく、連続性やケーブルを収容する断面が確保できていることを確認しました。
また、地盤変状の際のケーブル類の地盤追従性について、外管が離脱してもライニングは地盤変状に追従し、連続性を失わないことを確認しました。