秘密計算とは、NTT社会情報研究所が研究開発を実施中のデータを暗号化したまま計算できる技術です。一般的な暗号はデータの通信・保存を保護しますが、秘密計算はさらにデータの計算過程も保護することができます。秘密計算を使うことにより、個人のパーソナルデータや企業の営業秘密を用いる分析業務で、データを漏らさないだけでなく「データの中身を見ない」運用が可能になります。これにより、より安全なデータ処理はもちろんのこと、今まで他組織に開示することが難しかったデータを持ち寄った、企業や業界の枠を越えた新しい統合分析が可能になります。
NTT社会情報研究所の秘密計算は、暗号化の仕組みとしてISO標準準拠の秘密分散を採用し、秘密分散をベースにしたマルチパーティ計算を採用しています。マルチパーティ計算とは複数のサーバが予め定められた手順に従って暗号化データの演算と交換を行うことで暗号化したままのデータ処理を実現するものです。これらの手順を実行している間、データは常に秘密分散のシェアと呼ばれる断片として暗号化された状態で扱われるため「データの中身を見ずに」処理が実行されます。また、秘密分散の特徴を最大限生かした設計により、通常のデータ処理との違いを感じさせないパフォーマンスを実現することができました。
秘密計算システム算師は、NTT社会情報研究所が開発したシステムで、3~4台のサーバと、秘密分散等を行うクライアントから構成されます。秘密計算システム算師では、基本統計演算やクロス集計等が利用でき、さらに秘密計算によるテーブル結合アルゴリズムを使って、異なるデータを統合して分析することが可能です
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