更新日:2019/02/01
※記事本文中の研究所名が、執筆・取材時の旧研究所名の場合がございます。
北條 裕之(きたじょう ひろゆき)†1/ 山口 卓也(やまぐち たくや)†1/ 西山 小奈未(にしやま さなみ)†1/ 高橋 元(たかはし げん)†2/ 宮島 麻美(みやじま あさみ)†2/ 廣田 啓一(ひろた けいいち)†2/ 西田 祥子(にしだ しょうこ)†2/ 橋本 順子(はしもと じゅんこ)†2
NTT研究企画部門†1/ NTTセキュアプラットフォーム研究所†2
昨今、さまざまな分野のデジタルトランスフォーメーションにより、サービス化、オープン化、ソーシャル化、スマート化への変化が進んでおり、分野横断的なデータの蓄積やデータの利活用がイノベーションを促進し、経済成長などさまざまな分野の発展につながることが期待されています。一方、データの管理に伴うインシデントリスクや社会的責任の大きさ、企業戦略等の保護の観点による、データのセキュリティ対策の必要性などがデータ利活用促進を阻害する要因となっています。
NTTはそのような要因の解消に貢献するため、データを暗号化したままデータ処理可能な秘密計算技術の研究開発に世界に先駆けて取り組んできました。秘密計算の利点は、計算結果以外は誰にも見えないデータ運用ができること(図1)と、これにより、今まで他組織に開示することが難しかったデータを持ち寄った新しい統合分析が可能になることにあります。これまで、多施設臨床研究データ(1)やゲノムデータの解析(2)など、さまざまな分野への適用事例を検証するとともに、演算機能の充実や高速化等の改良を加え、NTTの秘密計算システム 算師®(算師)として開発を進めてきました(3)。
NTTが開発した算師は、秘密計算の持つ「データを互いに開示することなく、データを暗号化したまま統合分析できる」という利点をシステムとして実現したものです。さまざまな分野の多くの方々にこの価値を体感していただくことを目的として、算師を無償で試用提供を開始しました。2018年8月20日より開始し、最長2019年3月まで利用いただけます。現在、ヘルスケア、製造業、SIer等、さまざまな分野のお客さまにご利用いただいています。…