Interop Tokyo 2026 参加レポート

2026/06/22

R.Suzuki

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2026年6月10日から12日にかけて幕張メッセで開催されたInterop Tokyo 2026に参加してきましたので,今年のShowNetの様子をご紹介します。


はじめに

こんにちは。鈴木です。

6月10日から12日にかけて幕張メッセで開催されたInterop Tokyo 2026に参加してきましたので,そのなかのShowNetの様子をご紹介します。

会場入口
会場入口

Interopの名前は「Interoperability(相互運用性)」に由来します。1986年に米国で,メーカーの異なるTCP/IP機器が本当に相互接続できるのかを実機で確かめる場として始まったイベントです。

その精神を今も体現しているのが,Interopにおける相互運用性の検証プロジェクト「ShowNet」です。

ShowNet構成図
ShowNet構成図

出展社が持ち寄った多様なベンダーの機器とサービスを1つの実稼働ネットワークとして接続し,会場全体をインターネットにつなぎながら相互運用性を検証します。

今年は約2,300点に及ぶ製品・サービスが持ち寄られ,約800名のエンジニアが集結してShowNetのネットワークが構築・運用されました。

会場の様子

展示フロア
展示フロア

会場を歩いて特に印象に残ったのは,AIワークロードへの対応と,AIのネットワークオペレーションへの活用という2つの方向性です。

今年のテーマ「AIとインターネットの次章。〜Internet for AI, AI for Internet.〜」をまさに体現する内容でした。

AIワークロードへの対応

ShowNetのデータセンターブロックでは,800G/1.6T時代を見据えた分散・スケールアウトAI基盤が実際に組まれていました。

イーサネット上でサーバ間のメモリ直接転送(RDMA)を実現するRoCE v2ネットワーク,ネットワーク処理を専用プロセッサにオフロードするDPUスイッチ,GPU仮想化基盤などです。

さらに,冷却液をラック内の各サーバへ分配する装置であるCDU(Coolant Distribution Unit)を含む水冷ラックが並んでいました。

データセンターの冷却ソリューションとしての水冷は,ファシリティ側への影響が大きいことから,これまで一部の高密度なデプロイで利用されるにとどまっていました。

しかし昨今のAIワークロードを実行するGPU基盤需要の急激な高まりを受けて,不可欠な技術になりつつあります。

水冷スイッチ・水冷サーバがShowNetに導入されるのは今年が初めてです。

水冷ラック正面
水冷ラック正面
水冷ラック背面
水冷ラック背面

高密度化という観点では,限られたパネル面に,より多くのファイバを終端できる小型コネクタ規格VSFFや,筐体内で物理配線の繋ぎ替えを自動化するロボットパッチパネル(ロボパッチ)も活用されていました。

パッチパネル・ロボット配線システムラック
パッチパネル・ロボット配線システムラック

6Gのコアネットワークへの適用が3GPPで議論されているSegment Routing over IPv6(SRv6)を用いたアンダーレイネットワークの完全IPv6化(ShowNet初のEnd-to-End IPv4レスアンダーレイ)が展示されていました。

また800G世代のIPoDWDM光モジュールの現場投入といった取り組みも,AIワークロードを支えるコアネットワークの着実な進化であり,今後数年をかけて広くデプロイされていく可能性があります。

AIのオペレーションへの活用

AI Agentを用いたネットワークオペレーションが注目される昨今,ネットワーク運用に関わるサービス・ツールをMCPサーバとして提供する動きがみられますが,ネットワークテスター製品でもMCP対応のデモが行われていました。

こうした試験機のオペレーションには,これまで専用のDSL(ドメイン記述言語)やコンフィグへの習熟が不可欠でした。

試験の要件を自然言語で記述できること,試験シナリオのバリエーション作成にAI Agentの力を借りられることは,特に人手の限られるチームにおいて試験のあり方を大きく変えることになりそうです。

MCP対応試験機1
MCP対応試験機1
MCP対応試験機2
MCP対応試験機2

セキュリティ面では,利用者と生成AIの間に立って問い合わせを中継・検査するLLM向けプロキシや,AIの入出力を監視して不適切な応答や情報漏えいを防ぐAIガードレール(こちらもShowNet初の取り組み)がShowNetの構成に組み込まれていました。

AIを安全に取り込むための「守り」も含めて,運用そのものにAIが入り込みつつあることを実感しました。

おわりに

総じて今年は,AIの巨大なワークロードにネットワークがどう応えるか(Internet for AI),そしてAIがネットワークの構築・運用をどう変えるか(AI for Internet)の両面が示された回だったと感じます。

この流れを来年のShowNetがどう発展させるのかが今から楽しみです。

チーム紹介

本記事は,NTTネットワークサービスシステム研究所 ネットワーク基盤技術研究プロジェクト ノード処理基盤研究グループの RTC (Real-Time Commmunication) チームが執筆しています。 当チームでは,商用サービス開発とは独立した立場から,将来のRTCサービスを支える基盤技術の創出を目的としたコア研究として,RTC関連技術の研究開発および3GPPやCAMARA等における標準化活動に取り組んでいます。

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