2026/03/31
Y.Inoue
3GPPにおける6G技術仕様の検討状況についてタイムライン(スケジュール感)を中心にご紹介します。
2026年3月時点で3GPPではRelease-20として、5Gの機能拡張である5G-Advanced仕様と、6G技術仕様の検討を進めています。
本記事では、2026年3月時点での3GPPにおける6G技術仕様の検討状況について、タイムライン(スケジュール感)を中心に簡単にご紹介します。
3GPPにおける6G技術仕様検討は、Release-20とRelease-21で大きく2つのフェーズに分かれています。
6Gの技術仕様の策定時期に関しては、ITUが定める『IMT-2030』1を意識したタイムラインが計画されています。
ITUはこれまでIMT-2000(3G)、IMT-Advanced(4G)、IMT-2020(5G)と標準勧告を定めてきました。
3GPPはITUが示す上位要件・ビジョンを実現する具体的な技術仕様を策定し、ITUは3GPP仕様をIMT-xxxxとして採択(エンドース)することでデジュール標準としてのお墨付きを与える、という役割分担で3G~5Gの標準化が進められてきましたが、6Gにおいてもこの流れを踏襲する計画となっています。
6Gでは、IMT-2030に対する技術仕様提案のリミットである2029年2月から逆算する形で3GPPの検討スケジュールが組まれています。
具体的には、Release毎にSA/CTにおける各StageとRANのタスクに応じて検討期限が設定されていますので、以下でそのイメージをご紹介します。
Release-20では、6Gの技術テーマや研究課題、ユースケースや要求条件案などを検討しており、概ね下図のスケジュール感で進めています。

Release-20では強制力のある仕様標準化(TS作成)を行わず、Study(TR作成)のみを行うこととされています。
Release-21は、3GPPにおける6G仕様の本格的な標準化フェーズに位置づけられています。
2026年3月時点では、Stage 1(要求条件・ユースケース)の検討期限を2027年3月とすることが合意されました。
一方で、Stage 2以降を含むその他の検討期限については、2026年6月の会合で決定するという段取りが採られています。
このように一部の期限のみを先行して合意する形となった背景には、過去の会合におけるタイムライン議論で、仕様策定の完了時期に関する各社のスタンスが分かれていたという事情があります。
2024年3月に行われた3GPPにおける最初の6Gタイムライン議論では、IMT-2030のスケジュールを踏まえた「2028年末完了」案をベースに議論が進められましたが、その際には概ね以下のようなスタンスが見受けられました。
ベンダとオペレータで6Gへの温度感に差が出た大きな要因としては、オペレータにとって5Gが必ずしも足下の収益拡大に繋がっていない現状があると考えられます。オペレータは5Gのようにドラスティックなアーキテクチャ変更(とそれに伴うハードウェア更改への投資)が6Gでも発生するのは避けたい一方で、ベンダは新しい装置を販売したいという目的があります。
そのため、最初から全体スケジュールを一括で決めるのではなく、合意可能な部分から段階的に合意を積み重ねていくアプローチが選択されました。
現状のスケジュール案は以下のとおりです。ただし、Stage 1以外の検討期限はまだ確定していないため、ここではRAN/SA/CTの各プレナリ会合で示された議長案ベースのスケジュールを記載しています。

2026年3月にSA1で6GのStage 1 Studyが完了し、標準化フェーズとなるRelease-21のNormative work(WID:SP-260323)開始が承認されました。
SA2~SA6ではRelease-20における6G Stage 2仕様のStudyが進んでおり、CT WGでもCT1とCT4における6G Stage 3仕様に関するいくつかのStudy開始が承認されています。
以下は、2026年3月時点の各WGにおける6G関連のStudy Itemです。
2026年3月に6G Stage 1仕様の検討開始が正式に承認され、あわせて具体的な検討期限が設定されたことで、いよいよ6Gの標準仕様策定が始まります。
また、6Gアーキテクチャ仕様や、無線アクセスにおける5Gと6Gのマイグレーション方式などのStudyも本格化していく見込みです。
今後の3GPPにおける6G仕様検討の動向に、引き続き注目していきたいと思います。
本記事は,NTTネットワークサービスシステム研究所 ネットワーク基盤技術研究プロジェクト ノード処理基盤研究グループの RTC (Real-Time Commmunication) チームが執筆しています。 当チームでは,商用サービス開発とは独立した立場から,将来のRTCサービスを支える基盤技術の創出を目的としたコア研究として,RTC関連技術の研究開発および3GPPやCAMARA等における標準化活動に取り組んでいます。
本記事に関するお問い合わせは,下記アドレスまでご連絡ください。