言語習得・社会的認知

言語習得科学:こどもがことばを覚える仕組みを解き明かす

ヒトが言語をどのように習得するのかは人間科学の分野でいまだに明らかになっていない問題のひとつです。私たちは0-4歳児を対象として,視線解析に基づく実験心理学的手法や大規模な縦断/横断データ解析などに基づき,(1)語彙爆発メカニズム,(2)統語的手がかりに基づく動詞学習,(3)日英バイリンガル児の語彙発達,(4)ひらがな/カタカナの習得プロセス,(5)言語発達遅滞の機序などの研究を進めています。こうした研究を通じて,ことばの発達を後押しするテーラーメイド教育支援技術の提案を行います。

社会的認知:感情や社会性の発達プロセスの特定

自己及び他者の感情や心的状態を把握することは対人コミュニケーションにおいて不可欠です。また他者のふるまいを参考にして知識を習得したり対人関係構築に活かしたりすることも社会生活には重要です。こうした能力をこどもがどのように習得していくかを明らかにするために,私たちは,親子インタラクション解析や実験心理学的手法などを用いて,(1)社会的学習(ナチュラル・ペダゴジー),(2)表情/感情音声の理解,(3)感情語の習得,(4)向社会性の発達,(5)ゴシップの理解などの研究を進めています。また保育園/幼稚園の協力を得て,感情知識テストや対人親密度,保育の質などの測定手法の開発と検証も進めています。

絵本プロジェクト:こどもの興味と発達を考慮した絵本の検索と制作

絵本の読み聞かせがこどもの言語発達を後押しすることはよく知られています。特に,興味や発達にあった絵本を読んであげることが重要です。私たちは,こどもが覚えていく語をモデル化した幼児語彙発達データベースを用いて,お子さん一人ひとりの興味や発達に応じて作成するパーソナル知育絵本や,絵本検索システム「ぴたりえ」などを開発しています。また絵本の読み聞かせが与える影響を特定するための調査も行なっています。