更新日:2024/09/05
複数機関や個人が所有する端末で大量のデータが発生するICT社会において、各端末で分散保持されるデータを端末から出さずに利活用する連合学習技術の研究開発に取り組んでいます。本技術により、大規模なデータをセキュアかつ高速にAIモデル、特に深層学習への活用が可能になると考えられます。
現在、AI・深層学習モデルは、データセンタなど1か所に集約したデータを用いて学習することが⼀般的です。しかし、医療画像や企業内の機密文書などは通信量やデータの機微性の観点から、1つのデータセンタへの集約が困難な場合があります。連合学習では、各端末に分散保持されたデータを集約せずにAI・深層学習モデルの学習に活用可能です。ただし、この実用化にあたっては、更新情報からの学習データ漏洩のリスクや、分散保持されたデータの量/特徴量の偏りによる精度劣化などの課題が存在します。

セキュア連合学習は、これまでデータの機密性や大容量性を理由に集約が困難であったデータを用いたAI・深層学習モデルの学習を可能にします。同一ドメイン間の協調で、より高精度なモデルを獲得可能になります。また、異なるドメイン間の協調で、新たなアプリケーションの萌芽も期待されます。さらに、LLMなど大規模モデルへの適用も研究開発中です。
更新情報を統合する演算において、秘密計算やTEE (Trusted Execution Environment)などの信頼可能なデータ利活用基盤技術と組み合わせることで、よりプライバシーを強化した分散保持されるデータの利活用も実現可能です。
社会情報研究所 社会情報流通研究プロジェクト