概要
変わりゆく地球環境にプロアクティブにかつ、しなやかに対応するため、地球上の様々な現象を地球規模の観測によりモデリングし、シミュレーションすることで、地球環境の未来予測の実現をめざしています。
「気象気候再生モデリング技術」は、地球規模の観測とシミュレーションを組み合わせ、大気や海洋の様々な物理過程をモデリングし、気象や気候の未来予測を可能にする技術です。
背景・従来課題
NTTの観測では、衛星通信とIoTセンサを組み合わせ、取得が難しい大気や海洋の直接観測データをリアルタイムかつ多地点で収集することをめざしています。
気象や気候の未来予測には、必要とされる情報のリードタイムや精度・粒度を特定し、これらの要件に合わせて多地点に配置される観測機器を効率的に運用し、収集した直接観測データを効果的に活用する必要があります。まずは短期的かつ局所的な現象として、台風や線状降水帯といった極端気象をターゲットとします。
本技術のアドバンテージ
- 仮想空間内に気象モデルと観測システムを設定し、観測データの収集から予測までが検証可能な環境を構築すること。
- 構築した環境で様々な条件を検証し、効率的な観測機器の運用手法や効果的な観測データの活用手法を確立すること。
- 仮想空間上で確立した手法を、実世界に適用し、ユースケースに合わせた予測情報を提供すること。
利用シーン
- 行政やインフラ企業:ダムの事前放流や鉄道・道路の計画的な封鎖など社会基盤の対策
- 自治体:河川洪水や土砂崩れに備える市民の避難
- 個⼈:予測情報に基づく個々人の⾏動変容
解説図表
担当部署
宇宙環境エネルギー研究所 レジリエント環境適応研究プロジェクト