更新日:2020/12/11

    エネルギー流通基盤技術NTT宇宙環境エネルギー研究所

    概要

    再生可能エネルギー(再エネ)の地産地消(自産自消)をめざし、電力消費と発電・蓄電の情報を仮想空間に写像し、仮想空間上での統合的な最適制御を実空間に戻すことで需給調和を実現する「仮想エネルギー需給制御技術」、電磁パルス(EMP)や宇宙線等の影響に対しても電力供給が途絶えない直流システムを活用した、レジリエンスの高い供給システムの確立を実現する「次世代エネルギー供給技術」の研究開発に取り組んでいます。

    背景・従来課題

    2050年のカーボンゼロに向け太陽光発電などの再エネの大量導入に対する期待が高まる一方で、再エネは天候の影響を受けて発電量が大きく変動するため、消費電力量を柔軟に調整して変動を吸収することが求められています。また、近年頻発している台風や地震などの災害に加え、EMPによる攻撃や太陽フレア増大による宇宙線により電子機器および電力供給機器の破損や停止、誤動作等のリスクが想定され、電力供給におけるレジリエンスの向上も求められています。

    本技術のアドバンテージ

    • 再エネの発電量の変動に合わせて、複数の地域に跨る通信ビル等に対して通信トラヒックやデータの情報処理を空間的・時間的に適切に配置することにより、再エネを余すことなく効率的に利用することが可能。
    • 全国に点在するNTTの通信ビルやデータセンターの電力消費を制御することにより、効果的な需給調和が実現可能。
    • NTTの通信ビルで培ってきた直流給電システムをベースに、屋外配電を想定した直撃・誘導雷への対策技術や事故点検出技術を確立することにより、レジリエンスの高い安心・安全な直流グリッドを実現可能。

    利用シーン

    • 再エネの電力が不足する地域の通信ビル等から、余剰となる地域の通信ビル等へ通信トラヒックやデータの情報処理を移行させることで、各地域における再エネ利用率の向上を実現。
    • NTTの通信ビルを起点とし、周辺地域の需要家と直流で結び、直流マイクログリッドを構築することで、通常時は効率的な電力融通を、災害時にも停電しない安定した電力供給を実現。

    解説図表

    担当部署

    NTT宇宙環境エネルギー研究所 環境負荷ゼロ研究プロジェクト

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