概要
NTT研究所では、設備点検や停電している基地局への給電を効率化するため、深層強化学習を応用し、巡回ルートを瞬時に生成する技術の開発を進めています。
本技術を利用することで、訪問先の指定時刻や蓄電池の残量、道路の通行止めなどを考慮しながら、複数の車が1000以上の地点を効率的に巡回できるルートを生成できます。
背景・従来課題
NTTでは従来、電柱等の設備点検や、災害時の基地局等への給電において、人が巡回ルートを考えていました。しかし、このような巡回ルートの作成には時間がかかり、また、効率と制約(指定時刻や通行止めなど)を考慮した巡回ルートを作るにはスキルが必要でした。
さらに、巡回ルートを生成する既存技術は、訪問先の数に制限があったり、考慮できる制約も限定されたりしていました。
本技術のアドバンテージ
- 深層強化学習を応用することで短時間に1000以上の訪問先の巡回ルートを生成できます。
- 訪問先の指定時刻や在庫の残量を考慮した巡回ルートを生成できます。
- 通行止めや渋滞などの情報があれば、これらを考慮したルートを生成できます。
- 一般的な機械学習で必要な訓練データを用意する必要はありません。
利用シーン
- インフラの設備点検やお客様宅設備を修理する際の作業員の巡回ルート⽣成
- 災害に伴う広域停電時に、基地局等の設備に給電するためのEV(Electric Vehicle:電動車両)の巡回ルート⽣成
- 宅配や店舗・自動販売機等への在庫補充のための巡回ルート生成
- デマンド型バスなどの配車計画の生成
解説図表
用語解説
深層強化学習
ゲームやルート探索などの課題に対し、プログラムが繰り返し試行錯誤して方策を獲得する機械学習の一種が強化学習です。
この学習に深層学習を用いるものが深層強化学習と呼ばれ、より複雑な課題に対応できます。
担当部署
NTTネットワークサービスシステム研究所 通信トラヒック・品質・オペレーション研究プロジェクト