更新日:2021/12/17

    ICTシステムの潜在的なリスクを早期に検知しますディープラーニングに基づく異常検知技術「DeAnoS: Deep Anomaly Surveillance」NTTネットワークサービスシステム研究所

    概要

    NTT研究所は、Network-AIやAI-OpS*研究の一環として、ICTシステムの潜在的なリスクを早期に検知する『ディープラーニングに基づく異常検知技術「DeAnoS: Deep Anomaly Surveillance」』を開発しました。DeAnoSはICTシステム等から収集される大量のデータを効率的に分析することで、平常状態からの乖離を異常として検知します。また、異常に寄与するデータを異常の要因として推定します。

    1. *AIのネットワークや関連システムのオペレーションへの応用

    本技術をベースにNTTアドバンステクノロジ株式会社が提供している@DeAnoSが、Interop Tokyo 2020(オンライン開催)のBest of Show AwardでAI部門ファイナリストに選出されました(2020年5月11日時点)。

    背景・従来課題

    従来、ICTシステムの異常検知は、保守者の経験や設計に基づき、閾値などのルールを設定して行うため、想定外の異常は検知できず、大規模障害に繋がることがあります。また、多様な装置から収集される大量のデータに、閾値などのルールを設定するには、膨大な時間と手間を要します。

    本技術のアドバンテージ

    • ディープラーニングにより、平常時のネットワークやサーバ、またこれらを構成する装置やプロセスの複雑な状態を自動で学習することで、ルールベースの検知では見逃されていたサイレント故障等も検知
    • さらに異常の主要因となるデータや機器を特定することで、切り分けにかかる時間を削減し、サービス影響を短期化
    • 欠損や変化の多いデータであっても誤検知を抑え、アラートの多発に煩わされない検知を実現

    利用シーン

    • ネットワークやサーバ等の異常の早期検知・切り分けサポートにより、故障や輻輳などによるサービス影響時間を短縮
    • 各種装置の構成部品 (HDDなど) の異常度の長期的な傾向の変化から、経年状態変化やその要因を把握し、予防保全を実施
    • 制御技術と組み合わせ、早期に検知した異常を回避するような制御を実施

    解説図表

    担当部署

    NTTネットワークサービスシステム研究所 通信トラヒック・品質・オペレーション研究プロジェクト

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