概要
Beluganosはホワイトボックススイッチに搭載するNTT製の装置制御ソフトウェア(NetworkOS:NOS)です。装置制御ソフトウェアに関して複数の選択肢を持つ、汎用的な転送チップを具備する装置"ホワイトボックススイッチ"に対し、NTTではキャリア向けの内製NOS "Beluganos" を開発しています。 Beluganosの適用により製品サイクルが早い汎用的なハードウェアへ選択肢を拡大することでコスト効果を出しつつ、転送容量の迅速な拡大対応や、新たなビジネスや運用改善のための独自機能を容易・迅速に追加可能とするなど、多様なサービスを支える通信ネットワーク基盤の継続的な発展を可能にします。
本技術はデータセンタネットワーク、集線スイッチなど幅広い用途で利用でき、更に高速大容量なEnd-to-Endの光通信であるIOWN APN(オールフォトニクス・ネットワーク)への早期適用が期待できます。
既に事業会社の商用網へ導入済みの技術であり、NTT-AT社にて一般販売されているのですぐにお使いいただけます。
背景・従来課題
近年、ホワイトボックススイッチ市場が拡大しています。ホワイトボックススイッチ導入により複数のメリットが期待されています。
ホワイトボックススイッチは、ハードとソフトが分離しているためハード製造終了後もOSソフトの継続利用が可能で、監視システムやマニュアルの変更が削減できます。また、ハードを自由に選択できるため、トランシーバ等の部品を含め長期間、低価格で調達できます。
一方で、ソフトウェアとして市販のネットワークOSを利用する場合、機能追加や改修時期がベンダ判断によるため希望通りにならない場合があり、運用などキャリアに必要な機能が不十分という課題があります。
コストを低減し、これらの課題解決をするため、NTT内製ネットワークOS「Beluganos」の開発を行っています。
本技術のアドバンテージ
- 経路特定機能など市販のネットワーク機器より高度な保守機能を具備しており、キャリアネットワークに厳密に求められる高い運用性を提供します。
- NTT内製OSのため、NTTが必要なタイミングで機能追加や改修が実施できます。
- 従来の一体化型スイッチと違いハードウェアとソフトウェアが分離されているため、ハードウェアを変更してもソフトウェアは共通で統一した操作性を提供し続けることができます。
- NTT発のハードウェアをいち早くサポートすることが可能なため、省電力・低遅延のネットワークを実現するIOWN APNへの早期適用が期待できます。
利用シーン
- NTTグループが提供するデータセンタネットワークへの適用(Leaf/Spineスイッチ)
- 各種サービスや運用網のスイッチをBeluganos搭載のホワイトボックススイッチで統一し、機能差分を吸収することで装置更改時のマニュアル・監視システム更新のコストを削減
- ユーザ拠点設置のAPN波長パス終端装置として、L2/L3機能とトランスポンダ機能を一台のホワイトボックススイッチで実現
解説図表
担当部署
ネットワークイノベーションセンタ 光トランスポートシステムプロジェクト