更新日:2025/09/08
AI(人工知能)どうしが相互に議論・訂正を行うことで、人が要因推測すら困難な問題に対して多様な視点から解を創出する大規模AI連携技術「AIコンステレーション®」を2023年度より提唱し、取り組みを進めている。本特集では、概要と取り組み技術、具体的ユースケースやフィールドトライアル、基盤技術としての先端AIアルゴリズム研究について紹介する。

多様なAIが連携した「AIコンステレーション®」
NTTでは、AI(人工知能)どうしが相互に議論・訂正を行うことで、人が要因推測すら困難な問題に対して、多様な視点から解を創出する大規模AI連携技術「AIコンステレーション®」を2023年度より提唱し、取り組みを進めています。本稿では、AIの技術トレンドなど同構想に至る背景や詳細、獲得すべき能力やユースケースの類型、および将来のIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想との関連について紹介します。

AIコンステレーション®実現に向けた研究開発
「AIコンステレーション®」をはじめとするマルチエージェントシステム議論では、複数の大規模言語モデル(LLM:Large Language Models)を活用することで、多様な視点に基づく課題解決が期待されています。一方、単純に言語モデルを組み合わせるだけでは、発言が類似・抽象的となり、議論が深まらないことが課題となっています。本稿では、こうした課題に対して、議論の流れを維持しつつ新たな観点を自動選択する「LLMエージェント発言多様化技術」について紹介します。

AIコンステレーション®のフィールドトライアルと展望
本稿では、福岡県大牟田市で開催したAIコンステレーションのフィールドトライアル「会議シンギュラリティ」を紹介します。AI(人工知能)どうしが議論を行うAIコンステレーション®によって、地域課題など立場によって解が異なる複雑な問題に対して多様な観点からアイデアや意見を導出し、人間どうしの議論深化や具体的な気付きを得られることを確認しました。

AIコンステレーション®を支える先端AIアルゴリズム研究
本稿では、AIコンステレーション®の基盤技術としての活用を志向する先端AI(人工知能)アルゴリズムの研究事例を紹介します。具体的には、学習結果の再利用を可能にするNTT発「学習転移」技術、偏ったデータの環境変化に低ラベリングコストで適応するための転移学習技術、数値予測モデル向けのテスト時適応技術、多種多様な大規模高次元データ分析のためのスパースモデリング技術について解説します。