更新日:2020/12/18
江田 毅晴(えだ たけはる)/ 榑林 亮介(くればやし りょうすけ)/ 榎本 昇平(えのもと しょうへい)/ 史 旭(し きょく)/ 飯田 浩二(いいだ こうじ)/ 羽室 大介(はむろ だいすけ)
深層学習に代表されるAI(人工知能)技術は、今日、数多くの商用サービスに利用され、ビジネスを変革する技術として着実に発展してきています(1)。NTTが進めるIOWN (Innovative Optical and Wireless Network)構想においても、データ中心社会におけるデータ分析・価値化に向け、AIをさらに進化させた、より高度な認知・自律・予測システムの実現をめざしています。すなわち、ヒトでは見えないものを知覚し、ヒトでは扱いきれない規模の事象をとらえ、ヒトを超える速度で分析・判断できるAIシステムの実現です。そして、それらのAIシステムを用いてデータを価値化し、より安全で、誰にでも利用でき、持続可能で、より快適なサービスを創造し、さまざまな社会課題を解決していきます。
図1は、NTTが構想しているAIサービスプラットフォームの概略図を示しています。本プラットフォームでは、さまざまな場所に設置された無数のデバイス(監視カメラ、車、スマートフォン、ウェアラブル端末など)から、実世界に関するデータを取得します。またプラットフォーム上には多様なAIアプリケーションが提供されます。プラットフォームの利用者は、目的に合ったAIアプリケーションを選択し、取得したデータを分析することで知見を見出し、その結果を実世界の活動に反映していきます。
AIサービスプラットフォーム上で想定されているAIアプリケーションの一例を図2に示します。図2では、IOWN Global Forumのホワイトペーパー(2)に示されるAIアプリケーションの2つの側面に注目しています。
1つは、認知能力であり、AIアプリケーションが実空間をどれだけ精緻に認知する必要があるかを示しています。もう1つは、反応速度であり、実空間で事象が発生してから、AIアプリケーションがその事象に対する判断を完了させなければならない時間を示しています。図2中の右上、黄色で示した領域は、特に高度な認知能力と反応速度が必要となるアプリケーションです。その中には、ヒトの能力を超える、120 FPS(Frame Per Second)以上の時間解像度、高精細・高精度な空間・位置の認知、10ミリ秒内の反応速度等を必要とするアプリケーションもあります。IOWN構想では、ネットワーク、コンピューティング基盤の双方を変革していくことで、このようなヒトの能力を超えるアプリケーションの実現をめざします。…