更新日:2020/11/27
三輪 紀元(みわ のりゆき)†1/ 深田 聡(ふかだ さとし)†1/ 吉田 誠史(よしだ せいじ)†2/ 徳永 大典(とくなが だいすけ)†3
NTT研究企画部門†1/ NTTネットワーク基盤技術研究所†2/ NTTデジタルツインコンピューティング研究センタ†3
クルマをはじめとする多様なモビリティは、技術の進化とともに、人々の暮らしに豊かさをもたらしてきました。
その一方で、少子高齢化・都市部人口集中等の社会構造の変化を背景に、道路交通をめぐるさまざまな社会的課題の深刻化も懸念されています。
このような社会的課題を背景に、自動車メーカーを中心としたコネクティッドカーサービスの高度化、マルチモーダルMaaS(Mobility as a Service)の実現に向けた研究開発・連携・実証実験が進み、また日本政府においても産学官共同で取り組むべき共通的課題 (協調領域)の研究開発の取り組みが推進されています。さらに、コネクティッドカー・自動運転機能の高度化に伴い、それを支えるネットワークも不可欠で重要なインフラとなりつつあります。
NTTグループでは、モビリティのDXによるさまざまな社会的課題の解決および新たな価値創造をめざした取り組みを行っておりますが、本稿では、さまざまなデータを一元的に取り扱う基盤としてNTTグループにて研究開発を推進している「4Dデジタル基盤®」に着目し、モビリティ領域、特にインフラ協調領域基盤への活用の観点から、道路交通の整流化にどのような価値を提供できるかについて紹介します。
近年、ICTのめざましい発展により、膨大なIoT(Internet of Things)データの収集や分析が可能となりつつあり、これに伴い、政府やさまざまな企業が、Society 5.0等で提唱されているようなサイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムの実現をめざして研究開発に取り組んでいます。
しかし、サイバー・フィジカルの融合において、すでに統計化されているデータや、位置・時刻の情報にズレがあるデータどうしを掛け合わせても、実世界の現象の把握・そこからの未来予測の精度が高まらないケースもあります。
NTTでは、このような課題の解決に向け、ヒト・モノ・コトのさまざまなセンシングデータをリアルタイムに収集し、「緯度・経度・高度・時刻」の4次元の情報を高い精度で一致・統合させ、多様な産業基盤とのデータ融合や未来予測に資するデータの提供を可能とする基盤の構築をめざし、4Dデジタル基盤®の研究開発に着手いたしました。
4Dデジタル基盤®は、図1に示すように、高精度で豊富な意味情報を持つ「高度地理空間情報データベース」上に、多様なセンシングデータをリアルタイムに統合し、高速に分析処理を行います。
本基盤による高精度なセンシングデータの収集、膨大なデータの高速処理の組み合わせの例として、従来技術では実現できなかった、実空間に存在する車両位置の精緻かつ高速な把握を行ったデモを示します。…