更新日:2020/10/30

    コミュニケーションの知識源化を実現する音声認識技術NTTメディアインテリジェンス研究所

    ※記事本文中の研究所名が、執筆・取材時の旧研究所名の場合がございます。

    NTT技術ジャーナル2020年10月号:特集「メディア研究から人の活動を支援・代替するAI技術の研究開発へ」より

    中澤 裕一(なかざわ ゆういち)/ 森 岳至(もり たけし)/ 山口 義和(やまぐち よしかず)/ 宮崎 昇(みやざき のぼる)/ 篠原 雄介(しのはら ゆうすけ)

    音声認識技術の発展

    「Hey Siri」.「Ok Google」.これらは音声アシスタントに最初に話しかける言葉ですが、皆さんも利用したことがあるのではないでしょうか。
    スマートフォンや、AI(人工知能)スピーカーに話しかけて機器の操作や、欲しい情報を教えてくれる音声アシスタントの登場により、音声認識技術が世の中に急激に普及しました。このような人とコンピュータとの対話を実現する音声認識技術は、古くは1980年代の自動音声応答装置(IVR: Interactive Voice Response)、1990年代のカーナビゲーションへの導入など実用化がなされてきましたが、近年の深層学習技術の導入により音声認識精度が大幅に向上したことで、音声アシスタントや、グローバル化の流れから機械翻訳と組み合わせた音声翻訳など、さまざまなシーンで活用が始まっています。
    一方、音声は人どうしのコミュニケーションにおける重要な情報伝達手段の1つです。
    前述の音声アシスタントなどでは比較的短い音声を扱いますが、長い音声(長文、会話)を対象とした音声認識の実用化も検討されてきました。2000年以降、当初はニュース番組の字幕化、議会における議会録作成の支援など、いずれも手元に原稿が存在するシーンが多く、比較的明瞭な発話が対象でしたが、近年では、コールセンタでのオペレータと顧客の会話内容分析や、リアルタイムの会話支援など、人と人との自然なコミュニケーションで現れる音声が対象になってきています。
    このように音声認識技術は、音声認識精度の向上とともに、対象とする音声をさらに多様なものに拡大することで発展を遂げてきました(図1)。

    図1 NTTにおける音声認識技術の取り組み
    図1 NTTにおける音声認識技術の取り組み

    ビジネスのDXを支える音声認識技術の役割

    私たちは、音声認識技術が対象とする音声をさらに拡大することで、企業活動の変革を推進する役割を担うことができると考えています。
    近年、AI(人工知能)技術を含むITを活用した業務プロセスの変革がデジタルトランスフォーメーション(DX)と呼ばれており、業種・業態を問わずその取り組みへの重要性が注目されています。DXの推進にあたっては、ITを用いた業務プロセスの合理化や自動化と、業務とITとのシームレスな連携による新たな価値創出といった取り組みが必要とされますが、業務プロセスの合理化や自動化を進める際に音声認識技術が力を発揮します。…

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