更新日:2020/10/30

    4Dデジタル基盤®の実現に向けた空間情報処理技術NTTメディアインテリジェンス研究所

    ※記事本文中の研究所名が、執筆・取材時の旧研究所名の場合がございます。

    NTT技術ジャーナル2020年10月号:特集「メディア研究から人の活動を支援・代替するAI技術の研究開発へ」より

    八尾 泰洋(やお やすひろ)/ 倉田 夏菜(くらた かな)/ 伊藤 直己(いとう なおき)/ 安藤 慎吾(あんどう しんご)/ 島村 潤(しまむら じゅん)/ 渡邊 真由子(わたなべ まゆこ)/ 谷田 隆一(たにだ りゅういち)/ 木全 英明(きまた ひであき)

    4Dデジタル基盤®とは

    4Dデジタル基盤®は、ヒト・モノ・コトのさまざまなセンシングデータをリアルタイムに収集し、「緯度・経度・高度・時刻」の4次元の情報を高い精度で一致・統合させ、多様な産業基盤とのデータ融合や未来予測を可能とする基盤です(図1)。4Dデジタル基盤®と多様なIoT(Internet of Things)データを組み合わせることで、地理空間および多様な移動体の正確な位置の把握と、それに基づくさまざまな未来予測が可能となり、道路交通の整流化、都市アセットの最適活用、社会インフラ維持管理等、さまざまな領域で活用可能性があると考えています。
    4Dデジタル基盤®を構成する要素技術のうち、車線・標識などの交通情報や通信等のインフラ情報等の高精度で豊富な意味情報を持つ「高度地理空間情報データベース」を構築するために必要な空間情報処理技術として、画像と疎・低精度な3Dデータから地物を検出する実空間構造化技術、時間変化を含む3Dデータを効率的に保存・活用する4D点群符号化技術の研究開発を推進しています。本稿では、各技術の概要、取り組み状況について紹介します。

    図1 4Dデジタル基盤®の概念図
    図1 4Dデジタル基盤®の概念図

    実空間構造化技術

    「高度地理空間情報データベース」の構築には、道路を中心とした高精度3D空間情報の整備が必須となりますが、これには膨大な費用と手間がかかります。非常に高価なLiDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)と呼ばれるセンシング装置を載せた専用車両と、人手を使った地図生成プロセスが必要となるためです。
    そこで私たちは、効率的に高精度3D空間情報を構築するために、低廉なLiDARで計測された疎・低精度な3D点群と、カメラで撮影した映像との組み合わせから、道路付近のさまざまな自然・人工物を、自動で高精度に検出する実空間構造化技術の研究開発に取り組んでいます(図2)。実空間構造化技術は主に、疎な3D点群を画像や映像を手掛かりに高解像な3Dデータを生成する「3Dデータ高解像度化技術」、複雑な形状を含むシーン全体を解析し状態を把握する「3Dシーン理解・状態推定技術」、3D点群と画像に加えて、移動体センサから得られるセンシングデータを相互活用し、車や人の位置姿勢を把握する「3D動物体検知技術」から構成されます。本稿では、実空間構造化技術の最新の研究成果として、「3Dデータ高解像度化技術」と「3Dシーン理解・状態推定技術」に関する取り組みを紹介します。…

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