更新日:2020/05/01

    エネルギーの将来技術
    NTTネットワーク基盤技術研究所

    加藤 潤(かとう じゅん)/ 高田 英俊(たかだ ひでとし)

    NTT ネットワーク基盤技術研究所

    日本を取り巻くエネルギー課題

    限りあるエネルギー資源を今後どのように利用するかは世界中で課題となっており、ここ数年で情勢が大きく変化しています。特に日本を取り巻くエネルギー課題は、主に以下の3つがあげられます。

    1. 国際的な環境の枠組みへの対応(パリ協定など)
    2. エネルギーセキュリティ(海外へのエネルギー依存度の低減)
    3. エネルギーにおける国土強靭化(災害に強いインフラ)

    まず、日本の一次エネルギーの供給構成比率を図1に示します(1)。一次エネルギーとは人が利用するエネルギーのうち、石炭、石油、天然ガス、水力、原子力、風力、地熱、太陽エネルギーなど自然から直接採取されるエネルギーです。日本では東日本大震災以降の原子力発電稼働低減により化石燃料への依存が高くなり、約90%を石炭、石油、LNGによって賄っています。化石燃料を用いるとCO2排出量も多くなり、1.の環境の枠組みへの対応が難しい状況となっています。

    図1 日本の一次エネルギー国内供給構成(2017年度)
    図1 日本の一次エネルギー国内供給構成(2017年度)

    次に一次エネルギーの自給率について図2に示します。世界の各国と比較すると、自国のエネルギー使用量が多いが資源が乏しい日本の自給率は10%以下です。国際的有事の際や将来的な資源枯渇時に一次エネルギー源を集めることが困難となり、動力や電力不足が発生すると想定されます。さらに、昨年の北海道や千葉で発生したブラックアウト*1 や長期間停電など災害時に発生する電力供給の喪失を防ぐ必要があります。…

    1. *1ブラックアウト:地震や津波等の大災害時に発電所や送電線などが大きな被害を受けて、一瞬にして電力供給がなくなる状態。

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