更新日:2020/04/01

    IOWN構想に向けたコグニティブ・ファウンデーション®関連技術の取り組みNTT技術企画部門
    NTT研究企画部門

    NTT技術ジャーナル2020年4月号:特集「IOWN構想特集 ― コグニティブ・ファウンデーション® ―」より

    長谷部 克幸(はせべ かつゆき)†1/ 青木 大輔(あおき だいすけ)†1/ 日下部 優介(くさかべ ゆうすけ)†1/ 神崎 誠(かんざき まこと)†1/ 工藤 伊知郎(くどう いちろう)†2/ 池邉 隆(いけべ たかし)†2

    NTT技術企画部門†1/ NTT研究企画部門†2

    はじめに

    本格的な5G(第5世代移動通信システム)/IoT(Internet of Things)時代に入り、あらゆるモノがネットワークにつながり、大量のデジタルデータの効率的な収集・蓄積が可能となっただけでなく、AI(人工知能)を用いて、業務効率や生産性の向上に資する高度な分析・予測も可能となってきています。その一方で、少子高齢化や労働力人口の減少、膨大な被害を及ぼす自然災害などの社会的課題を解決し、社会に大きな変革をもたらす「デジタルトランスフォーメーション(DX)」への期待が高まっています。NTTグループは、このような時代の要請にこたえるさまざまな分野のサービス事業者(センターB)を支えることで、エンドユーザへの新たな価値創造を実現するB2B2Xモデルの推進に取り組んでいます(1)

    本特集では、B2B2Xモデルをさらに促進するための、NTTグループが進める構想とその構想を支える技術、現在の取り組みなどについて紹介します。

    コグニティブ・ファウンデーション®

    コグニティブ・ファウンデーション®(CF: Cognitive Foundation®)構想とは、クラウドやネットワークサービスに加え、ユーザのICTリソース*1を含めた配備や構成の最適化、つまり構築・設定および管理・運用を、一元的に実施するものです。従来これらのICTリソースは、アプリケーションやソリューションごとにサイロ化され、個別の配備や構成の最適化といったライフサイクルマネジメントが必要でした。さらに昨今では、エッジコンピューティングやハイブリッドクラウドにおける高度な分散連携が求められるユースケースが増えるなど、ICTリソースのライフサイクルマネジメントは、継続かつ複雑化する傾向にあり、社会システムを提供するセンターBがアプリケーションやソリューションの開発・提供に注力するうえで、大きな負担となっていました。

    コグニティブ・ファウンデーション®構想では、マルチドメイン*2、マルチレイヤ*3、マルチサービス・ベンダ環境における迅速なICTリソースの配備と構成の最適化、さらには、完全自動化・自律化、そして自己進化することで、センターBが本来のビジネスに注力いただけるようにしていきます(図1)。

    1. *1ICTリソース:センターBが提供するアプリケーションやソリューションを支えるマルチドメイン、マルチレイヤにおけるコンピューティングリソース。各種サービスを構成するCPU/GPUやメモリーを含みます。
    2. *2マルチドメイン:クラウドサービス、自社/他社のデータセンター、ネットワークエッジやサーバの設置場所など、物理的に分散した拠点。
    3. *3マルチレイヤ:オーバーレイソリューションに位置付くIaaS(Infrastructure as a Service)/PaaS(Platform as a Service)/SDN(Software Defined Network)といった仮想化されたICTリソースに加え、有線や無線のネットワークサービスやそれらを支えるトランスポートネットワーク。
    図1 コグニティブ・ファウンデーション®とネットワーク3層モデル
    図1 コグニティブ・ファウンデーション®とネットワーク3層モデル

    マルチオーケストレータ

    コグニティブ・ファウンデーション®構想を構成する要素は2つです。1つは、前述したさまざまなICTリソースです。もう1つは、キーテクノロジであるマルチオーケストレータ(MO: Multi Orchestrator)です。このマルチオーケストレータが、センターBの要望に応じて、さまざまなICTリソースの配備、構成の最適化を一元的に実施することで、コグニティブ・ファウンデーション®構想を実現します。…

    ■参考文献

    1. (1)澤田:“Smart Worldの実現に向けて,”NTT技術ジャーナル,Vol.31, No.1, pp.4-10, 2019.

    関連するコンテンツ