更新日:2020/03/01
石塚 美加(いしづか みか)/ 金子 康晴(かねこ やすはる)/ 越地 弘順(こしぢ こうじゅん)/ 瀬戸 三郎(せと さぶろう)/ 安川 正祥(やすかわ せいしょう)
NTTネットワーク基盤技術研究所では、オールフォトニクス・ネットワーク(APN)の実現に向けたネットワーク設計技術の検討に取り組んでいます。
現状のネットワークでは、複数のユーザやサービスが、1つの光パスを共有しているのに対し、APNでは、ユーザやサービスごとに光パスを割り当てることで高品質・低遅延を実現しています。ユーザやサービスごとに光パスを割り当てるということは、膨大な数の光パスが波長を要求することを意味しています。しかし、大規模ネットワークにおいて波長を効率的に割り当てるのは難しいことが知られています(1)。
そこで、私たちは、さまざまな最適化手法を組み合わせることにより、膨大な数の光パスを効率的にネットワークに収容することを可能にするネットワーク設計技術の検討を進めています。
光パスに対して波長を割り当てる際には、エンド・ツー・エンドで同一の波長を割り当てる必要があります。また、同一リンクの中では、1つの波長は1つの光パスにのみ割り当てられます。例えば、図1(a)において、光パス#3に対して波長を割り当てる際に、リンクAでは波長#1は未使用ですが、リンクBでは使用しているため、リンクAの波長#1は未使用のままで、波長#2を割り当てることになります。このように、光パスに対して波長を逐次割り当てていくと波長のフラグメント化が発生します。しかし、波長の割り当てを図1(b)のようにすることにより、必要となる波長数を減らすことができます。つまり、需要予測技術と組み合わせ、需要を見越した波長割当のルールを決めることにより、光パスを効率的に収容することが可能になります。
先述したように、ネットワークの規模が大きくなるにつれて、エンド・ツー・エンドで効率的に波長を割り当てることが難しくなるとともに計算量が爆発し、最適な波長割当を計算すること自体が困難になります。そこで私たちは、波長を効率的に使用し、かつ問題の規模を削減するために、ネットワークを領域(ドメイン)に分割するアーキテクチャを採用しています(図2)。ドメインの境界では、フォトニックゲートウェイ、フォトニックエクスチェンジを配備し、これらの装置で波長変換を実施します。…