更新日:2019/07/01

    機械読解による自然言語理解への挑戦
    NTTメディアインテリジェンス研究所

    ※記事本文中の研究所名が、執筆・取材時の旧研究所名の場合がございます。

    NTT技術ジャーナル2019年7月号:特集「デジタルトランスフォーメーションの未来を切り拓く先進的メディア処理技術 ―― コンタクトセンタAI」より

    西田 京介(にしだ きょうすけ)/ 斉藤 いつみ(さいとう いつみ)/ 大塚 淳史(おおつか あつし)/ 西田 光甫(にしだ こうすけ)/ 野本 済央(のもと なりちか)/ 浅野 久子(あさの ひさこ)

    NTTメディアインテリジェンス研究所

    機械読解と自然言語理解

    コンタクトセンタにおけるお客さま応対をAI(人工知能)技術により支援するために、NTTメディアインテリジェンス研究所(MD研)では機械読解について研究開発に取り組んでいます。機械読解とはAIがマニュアルや契約書などのテキストを読んで質問に応答する技術で、人間が日常的に用いる言葉を理解する「自然言語理解」の実現に挑戦するものです。コンタクトセンタでは、検索用にマニュアルからFAQを事前に準備しなくても、マニュアルに書かれた内容を正確に読み解いてピンポイントに回答を発見することでオペレータを支援することをめざしています(図1)。
    機械読解は新しい研究分野ですが、深層学習の発展および大規模なデータセットの整備により急速に発展しています。特に、スタンフォード大学が作成した機械読解データセットSQuAD(1)において、2018年1月にAIが人間を上回る回答精度を達成したことで、この研究分野に大きな注目が集まりました。しかし、SQuADの問題設定は比較的単純であり、より難しい問題設定においてAIはまだ人間の読解力には及びません。MD研では、研究用のデータセットを用いた学術的な競争の中で技術を磨きながら、コンタクトセンタにおける実用化に向けた課題の解決に取り組んでいます。本稿では、私たちの機械読解に関する研究成果について紹介します。

    図1 コンタクトセンタと機械読解
    図1 コンタクトセンタと機械読解

    多数のテキストから回答を発見する「大規模機械読解技術」

    初期の機械読解研究の問題設定では、知識源として扱うテキストは1つに限定されていました。しかし、コンタクトセンタをはじめとした実際の応用シーンでは、多数のテキストから質問に対する回答を発見する必要があります。…

    ■参考文献

    1. (1) P. Rajpurkar, J. Zhang, K. Lopyrev, and P. Liang:“SQuAD: 100,000+ questions for machine comprehension of text、”Proc. of EMNLP 2016, pp.2383-2392, Austin, U.S.A., Nov. 2016。

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