更新日:2019/04/01

    救急ビッグデータを用いた救急自動車最適運用システムの有効性を確認
    リアルタイムな救急需要予測等による救急車の搬送時間短縮をめざす

    総務省消防庁 消防大学校 消防研究センター、NTT、NTTデータは、2018年2月から2021年3月までの期間において救急ビッグデータを用いた救急車運用高度化の共同研究を実施しています。

    近年、救急車の現場到着時間・病院収容時間が延伸していることを踏まえ、この時間短縮を目的に、救急搬送情報、およびG空間情報やモバイル空間統計等のビッグデータと、消防研究センターおよび消防機関における運用ノウハウ、NTTグループのビッグデータ分析・学習・価値化技術を活用した救急車の最適運用システムの開発をめざし研究を進めており、シミュレーションを通して有効性を確認しました。

    共同研究および実証実験の概要

    救急隊の基本的な業務フローにおいて、現場到着までの時間と搬送先決定に関する時間を短縮する技術と、医療機関搬送時の安全性確保の技術に関する研究開発を以下3テーマで行い、実装の可能性を検証します(図)。

    (1) 救急隊最適配置(協力機関:名古屋市消防局)

    現場到着までの時間短縮に関しては、各種救急活動情報を解析し、傷病者発生を予測します。さらに、この予測結果に対して救急隊の情報を加えた解析を行うことで、傷病者発生確率の高い場所への救急隊の最適配置を検討し、運用効率化の可能性を検証します。

    具体的には、時系列データの学習に有効なリカレントニューラルネットワーク(RNN)を用いて市全体の救急需要を予測し、過去の救急搬送実績に基づく地図メッシュごとの確率分布と組み合わせることで救急需要の期待値の分布を算出し、それらの計算結果に基づいて各救急隊の最適配置を求めました。過去の救急搬送事例のデータや天候などの環境データ、動的人口データなどを用いて予測最適化アルゴリズムを考案し、現実に即した制約条件を加味したシミュレーションにより実データと比較検証した結果、平均現場到着時間の短縮が得られたことでその有効性を確認しました。

    (2) 搬送先医療機関の受入可能性を予測(協力機関:仙台市消防局)

    搬送先医療機関決定に要する時間の短縮に関しては、救急隊の出動履歴や医療機関の受入履歴、医療機関の受入体制等の情報解析を行い、傷病者ごとに各医療機関の受入可能性を推定します。これにより、医療機関との受入交渉における運用効率化の可能性を検証します。…

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