更新日:2021/12/13
お互いの手の平を見せてたたき合い感情を共有するハイタッチの体験を、離れていても可能にします。それぞれの遠隔地には、映像提示装置とその手前に置かれた透明ボードがあり、体験者がそれにハイタッチをするように触れると、もう一方の体験者の前にあるその透明なボードが振動し、触感が伝わります。 コロナ禍のスポーツにおいて、直接的な身体接触を行うことなく、振動伝送によって選手と家族、応援する人同士など、人と人が喜びや応援を共有することをめざしたシステムを構築しました。
新型コロナウイルスの影響で、オンラインでのコミュニケーションが普及しており、人と直接接触することが憚られるような時代になりました。 そんなコロナ禍の状況では、握手や抱擁、ハイタッチなど、人々の感情を表出する身体的なコミュニケーションの機会が減っています。 SNSでメッセージを送りあったり、電話やテレビ通話などではそうした身体的コミュニケーションは行うことができないという課題があります。
遠隔地にリアルタイムで音声と映像、および振動を同時に送ることができる振動伝送装置です。
遠隔地にいる体験者の前には、それぞれ映像装置とその前にある透明な触覚計測提示用の板があり、その透明な板をたたくともう一方の遠隔地の透明な板が振動します。透明な板と映像装置の間にはカメラがあり、装置の背面に設置された映像装置にはカメラに映った相手がそれぞれ表示されます。
そのため透明な板を手のひらでたたいたとき、もう一方の映像装置には相手の手のひらが見える形で映像および振動を送ることができます。
したがってお互いの手のひらの映像を見ながら触感を送り合うことで、擬似的にハイタッチをしているかのような振動伝送のコミュニケーションを行うことができます。
また、振動の大きさによってもう一方の提示される板の振動の大きさは変化し、強くたたくと強く振動し、弱くたたくと弱い振動が送られます。
ハイタッチの振動だけでなく、様々な板のたたき方を計測し提示することができるため、多様なシーンでの利用が可能です。
NTTコミュニケーション科学基礎研究所 人間情報研究部