更新日:2022/01/21
文書を文間の修飾関係、因果関係や推移関係などを表現した文書構造木として表現し、与えられた文字数制約のもと文重要度の和を最大化する根付き部分木を要約として抽出する手法を考案しました。要約は文書構造木の根付き部分木であることから文章としての一貫性が保たれます。また、最適な根付き部分木の抽出は、木制約つきナップサック問題という計算困難な問題として定式化されるので、効率的に解くためのアルゴリズムもあわせて考案しました。
従来の自動要約法は、文書を文の集合としてとらえ文重要度の和を最大化する部分集合を要約として抽出していたため、文間の関係を無視した要約、つまり文章としての一貫性に欠ける要約を生成してしまうという問題がありました。一貫性が欠けた要約には、文章として読みにくい、読み手に誤解を与えるなどの問題があります。

本技術では、我々が独自に考案した文書構造木として文書をあらわします。文書構造木は因果関係や推移関係のような文間の修飾関係をあらわした木であり、根に文書中で最も重要な文が配置されます。そして、この木から単語重要度データベースに基づき決定した文重要度の和を最大化する根付き部分木を要約として抽出します。こうして得た要約には文間の修飾関係が保存されるため一貫性が保たれるという利点があります。最適な根付き木の探索は、木制約つきナップサック問題という計算困難な組合せ最適化問題として定式化されるので、これを効率よく解くために ZDD (Zero-suppressed binary decision diagram) というデータ構造を利用した探索アルゴリズムも考案しました。文間の関係を無視して文重要度の和を最大化する文集合を要約とする従来手法と比較評価した結果、情報の網羅性、文章としての一貫性ともに従来法を大きく上回ることを確認しました。
NTTコミュニケーション科学基礎研究所 協創情報研究部