更新日:2022/10/27
大容量伝送システムの効率的実現に適した低損失な光ケーブル特性と、細径高密度な構造を両立した光ケーブルを開発しました。本光ケーブルは構造を最適化することで低損失な特性を確保しています。また、スロットロッドを省略したことでプラスチック使用量を約30%削減しています。これにより、材料コストの低減とともに材料調達や製造にかかわる環境負荷の低減が可能です。
これまで光ケーブルの経済化・施工性向上のため、細径高密度光ケーブルを開発してきました。一方、特に中継の伝送路においては、大容量通信の需要拡大に伴って、長距離大容量伝送に適した低損失光ファイバの活用が重要です。低損失光ファイバは光ケーブル内において加わる側圧によって光損失が増加してしまう場合があるため側圧が加わらないように光ケーブルへ実装する必要があります。

アクセス区間向けに開発した光ケーブルと同様に、スロットロッドと呼ばれる光ファイバを側圧等から保護する部材を省略することで細径・軽量化を実現する細径高密度な構造としています。敷設時に光ファイバに張力が加わらないようにするためのテンションメンバには、電磁誘導の影響を受けないよう、非金属材料である繊維強化プラスチック(FRP: Fiber Reinforced Plastic)を使用しています。ケーブル化損失(ケーブル化前後の光損失増加量)を抑制するため、適切なケーブルの実装密度(ケーブル内部の断面積に対する光ファイバ心線の断面積の比)の設計範囲を明らかにし、安定的な光損失特性の確保を実現しました。加えて、現行光ケーブルと同様に、十分な機械特性・温度特性等も確保しています。
従来の中継向けケーブルと比較すると、約10%程度の光損失低減、200心ケーブルを例として約10%程度の軽量化を実現しています。また、スロットロッドを省略したことで構造がシンプル化され、施工時は硬い部材であるスロットロッドの処理が不要となります。さらに、使用するプラスチックの量を削減できるため、材料コストの低減とともに材料調達や製造にかかわる環境負荷を低減できます。
低損失光ファイバ
光ファイバは通常、クラッドを純粋⽯英とし、中央に屈折率を上げるゲルマニウム等を添加してコアを形成します。⼀⽅、低損失光ファイバは中央を純粋⽯英、周囲のクラッドに屈折率を下げるフッ素などを添加することでコアを形成します。光は添加物が少ない領域を進むため、低損失な特性が得られます。
アクセスサービスシステム研究所 アクセス設備プロジェクト