更新日:2017/02/07

    モバイルネットワークを支える高精度時刻同期・配信技術「高精度時刻同期アクセスシステム」 NTTアクセスサービスシステム研究所

    背景・従来課題

    2014年12月にモバイル事業者3社(Docomo、KDDI、Softbank)に第4世代移動通信システム(LTE-Advanced)向けとして3.5GHz帯周波数が新規に割り当てられることになりました。今回の割り当てでは、モバイル事業者間のガードバンドが無く、TD-LTE方式の採用が義務付けられたため、モバイル事業者間で時刻同期をとることが必須となりました。
    基地局を時刻同期させる方法としては、基地局設置ビルにGPSアンテナ/GPSレシーバを設置し、高精度な時刻情報を基地局装置に供給する方法が一般的ですが、ビルによっては、電波干渉や物理的スペースの不足などから、GPSアンテナの設置が出来ない場合もあるため、別ビルに設置したGPSアンテナで取得した時刻を有線で伝送する時刻同期システムが必要となります。

    概要

    第4世代移動通信システム(LTE-Advanced)向けに高精度な時刻情報を提供可能とする高精度時刻同期アクセスシステムの開発を行いました。本システムによりGPSアンテナの設置ができない基地局へもサブマイクロ秒の極めて高精度な時刻情報を提供することが可能となります。

    本技術のアドバンテージ

    • GPSアンテナを設置できないロケーションでも、高精度(サブマイクロ秒)な時刻提供が可能
    • NTT東西が提供するビジネスイーサワイドサービスのオプションサービスとして時刻提供が可能
    • OLT/ONUに時刻同期機能部を設けることで、高精度な時刻情報(±70ns以内)の提供が可能

    利用シーン

    • TDD(Time Division Duplex)方式のモバイル基地局の高精度時刻の提供
    • 金融取引、スマートグリッド、グリッドコンピューティング、4K/8K放送等の高精度時刻を必要とするアプリケーションへの適用

    解説図表

    技術解説

    時刻同期は、IEEE1588v2で規定されるPTPというプロトコルに従い実施されます。時刻情報はマスタノードと隣り合うスレーブノード間でやりとりされ、スレーブノードがマスタノードに時刻を合わせます。時刻同期が完了したスレーブノードは配下のスレーブノードに対するマスタノードとなり、同様に時刻を同期させます。このように、隣接するノード間で、順々に時刻を合わせていくことで、ネットワーク全体の時刻同期を実現します。時刻情報をやり取りする時に、GM装置より全体のベースとなるクロック周波数(SyncE)を提供することで、時刻同期精度を向上させることができます。
    GM装置はGPSレシーバを内蔵した装置であり、全体の時刻マスタ装置になります。OLT/ONUはスレーブノードであり、それらを介してモバイル基地局に時刻を提供します。

    用語解説

    PTP (Precision Time Protocol)
    高精度時刻情報をパケット網で配信するためのプロトコル(IEEE1588v2)

    SyncE (Synchronous Ethernet)
    イーサ・ネットの物理層を介して周波数同期する方式

    GM (Grand Master)
    GPSに同期した基準時刻を供給するPTPのマスタ装置

    OLT (Optical Line Terminal)
    局内光回線終端装置

    ONU (Optical Network Unit)
    宅内光回線終端装置

    担当部署

    NTTアクセスサービスシステム研究所 光アクセス基盤プロジェクト

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