更新日:2021/12/13

    多種多彩なサービスニーズに対応10G-EPONシステムNTTアクセスサービスシステム研究所

    概要

    10G-EPONシステムは既存設備の有効活用・多分岐化・大容量化によりCAPEX/OPEX削減が可能なシステムです。本システムは、マルチアクセスサービス基盤を実現する10G級のアクセス方式として、広帯域化・高信頼化・新機能(時刻同期機能・スリープ機能)を提供しB2B2X向けサービスへの適用拡大による増収が期待されています。

    背景・従来課題

    現在、GE-PONにより1Gbpsを実現するサービスが市場に普及しています。 将来の転送速度拡大に向けたニーズに対応するため、1波長当たりの伝送速度を10GbpsとしたWDM/TDMアクセス技術の実用化が求められています。

    本技術のアドバンテージ

    • 最大10Gbit/sのアクセス速度を有するアクセスシステムです。
    • 1つのPONシステムに64ユーザが接続された場合でも、1ユーザ当たりの割当て速度は約100Mbit/s超(公平割当て時)と高速です。
    • 装置収容密度向上により、装置あたり64ポート、1PONあたり64分岐時であれば、最大4096拠点のお客さまで共用できるため経済的です。
    • 省電力、省スペースを実現しておりOPEXコストが削減できます。
    • 各種IFのパッケージが冗長化されており高信頼性を実現しています。
    • IEEE802.3-2012に準拠しており、将来的にマルチベンダ接続が可能です。
    • 時刻同期・周波数同期機能を搭載しておりモバイル収容等のビジネスシーンに利用できます。
    • 10G-ONUだけでなく、既存のGE-ONUも収容可能です。

    利用シーン

    • 10G-ONUだけでなく、既存のGE-ONUも収容可能です。

    解説図表

    技術解説

    1.PON技術
     1心の光ファイバを最大64拠点のお客様で共用できます。各お客様はネットワークが空いている時はピーク10Gbit/sで、輻輳時でもあらかじめ設定された保証速度で通信できます。

    2.光波長多重技術
      1心の光ファイバ上で2波多重伝送を実現します。データ通信の上りと下りでそれぞれ異なる光波長を使用します。また、映像配信サービスにも対応できるよう、 映像伝送用に1.55μm波長帯を追加することが容易な仕様としています。このデータ通信と映像配信は相互に影響を受けることなく同時に提供可能です。

    3.きめ細やかなトラヒック制御技術
      最低保証帯域、最大使用可能帯域、遅延クラスの設定により、ユーザやサービス毎に必要な帯域や遅延時間を制御することが可能となります。これにより、きめ細かなサービス設計、サービス提供が可能となります。

    4.優先制御技術
    イーサネットフレーム上のVLANプライオリティ値により、1ユーザ内のトラヒックをサービス毎に優先制御することが可能です。具体的には、音声、映像、インターネットを同時に使用するお客様の場合、低遅延を要求される音声データを最優先に転送し、次に映像データの転送、残った帯域でインターネット用のデータ をベストエフォートで転送するというような使い方が可能です。

    5.冗長化技術
      PONパッケージN枚に対し1枚の予備パッケージを準備するN:1冗長により、PONパッケージ故障の即時復旧が可能です。

    6.時刻・周波数同期技術
    IEEE1588,SyncEに準拠した高精度な時刻同期機能による高付加価値サービスを提供可能です。

    7.デュアルレート技術
    デュアルレート技術により、1G/10Gを共存し収容することが可能です。

    担当部署

    NTTアクセスサービスシステム研究所 光アクセス基盤プロジェクト

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