技術入門

高頻度パフォーマンスモニタリング技術 第2回

NTC 光トランスポートシステムプロジェクト

高速リンクシステムグループ 村上 正樹(むらかみ まさき)

#APN#信頼性#監視制御

2026/7/16

はじめに

第1回の記事(https://www.rd.ntt/ntc/article/0080.html)では高信頼なAPN(All-Photonics Network)を実現する高頻度パフォーマンスモニタリング(HF-PM: High Frequency Performance Monitoring)技術を紹介しました。HF-PMは、ベンダの異なる中継伝送装置と接続することができるトランスポンダ(ユーザー端末からの電気信号を光信号に変換してAPNに送出する役割をもつ伝送装置)であるOCTマックスポンダタイプに機能として実装されています。OCTマックスポンダタイプの詳細が気になる方はNTTが出版する技術ジャーナル(https://journal.ntt.co.jp/wp-content/uploads/2026/01/JN202602.pdf#page=22)を是非お読みください。本記事ではOCTマックスポンダタイプでHF-PM機能が実際に動作している様子をお見せします。

高頻度パフォーマンスモニタリング技術のおさらい

まず前回の記事で説明した高頻度パフォーマンスモニタリング技術を簡単におさらいします。高頻度パフォーマンスモニタリング技術はビットエラー率の増加を検知すると、その時点から過去15分にわたり約10秒間隔の性能情報を保存します。更に、検知後15分間、約10秒間隔の性能情報をロギングします。この動作によって従来のPMでは捉えなれないような変動でも、HF-PMでは捉えられるようになり、伝送装置の多数のパラメータから、エラー率増加の要因となったパラメータ群を特定して原因分析を出来るようになります。

実験内容

OCTマックスポンダタイプでHF-PMの動作を確認するために図2のように実験系を組みました。図3は各実験機器の写真になります。

01.jpg
図1. 実験系
02.jpg
図2. 実験機器の写真

今回の実験では測定器から送出した電気信号をOCTマックスポンダタイプが光信号に変換します。そしてその光信号にASE光源から送出されたASE光(自然光を増幅させたもの、光通信ではノイズとして扱われる)をカプラで合わせて、光信号にノイズを載せます。ノイズが乗った光信号をOCTマックスポンダタイプへ送り、OCTマックスポンダタイプは光信号を電気信号に変換します。しかし、この光信号はノイズが乗っているためビットエラーが発生します。するとビットエラー率が増加するため、OCTマックスポンダタイプのHF-PM機能が動作を開始します。HF-PM機能で得られたログは監視用PCで確認することができます。

実験結果

03.jpg
図3. 実験結果

図3は監視用PCでHF-PMのログをグラフとして出力したものになります。グラフ化にはMatplotlibを利用しました。データは15秒周期の観測データとなっており、高頻度なロギングが出来ています。また、ビットエラー率の増加をトリガーとして前後60ポイント(15分間分)のログを取るが出来ています。今回はASE光の合波によって伝送品質を悪化させました。そのため、ノイズの増加に起因してOSNRが悪化(減少)していることや、偏波状態が悪くなりSOPが増加していることが分かります。

おわりに

本記事では高信頼なAPNを実現する高頻度パフォーマンスモニタリング技術がOCTマックスポンダタイプの機能として動作しており、エラー率増加の要因となるパラメータ群をモニタリングできることを確認しました。

関連するプロジェクト

プロジェクト一覧へ

採用情報

採用情報