NTCの研究開発
AI活用によるネットワークキャリアのオペレーション高度化
~自己進化型ZTOフレームワーク STEP2~
NTC ネットワークオペレーションプロジェクト
中村 義和(なかむら よしかず)
#オペレーション#AI#自己進化型ZTO
2026/7/17
はじめに
NTT研究所では、ネットワーク障害の複雑化やベテラン人材の減少に対応するために、ネットワークキャリアのオペレーションを高度化する自己進化型ゼロタッチオペレーション(ZTO)の実現をめざしています。
そのための最初のステップの取り組み内容について、以前の記事の「AI活用によるネットワークキャリアのオペレーション高度化 ~自己進化型ZTOフレームワーク~」で、自己進化型ZTOフレームワークSTEP1の概要を紹介いたしました(1)。
今回の記事では、自己進化型ZTOフレームワークの次のステップである自己進化型ZTOフレームワークSTEP2について紹介します。
(1)
AI活用によるネットワークキャリアのオペレーション高度化~自己進化型ZTOフレームワーク~ | NIC Tech Talks
自己進化型ZTOフレームワークSTEP1の取り組み内容
自己進化型ZTOフレームワークでは、ネットワーク運用業務に適したAIを提供し、それらを柔軟に連携可能とすることをめざしています。
自己進化型ZTOフレームワークSTEP1では、アラーム集約や故障箇所推定、異常検知の3つのAIを連携させる機能を提供することで、AI単体では実現できなかった新たなシナジー効果を創出し、運用に関する複数のプロセスへ自動化の範囲を拡大しています。
自己進化型ZTOフレームワークSTEP2へのアプローチ
自己進化型ZTOフレームワークSTEP2では、運用業務のさらなる迅速化に向けて、以下の2点に取り組んでいます。
1点目)運用業務の自動化範囲を措置方法の検討まで拡大(図1参照)
2点目)STEP1でリリースしたAIのさらなる高度化
自己進化型ZTOフレームワークSTEP2の概要
それではこの2点について、下記でその内容を説明します。
1点目)運用業務の自動化範囲を措置方法の検討まで拡大
自己進化型ZTOフレームワークSTEP2では、故障に対する措置方法とそれを生成した根拠を提示する「措置検討AI」を新たにリリースし、運用業務の自動化範囲を拡大しています。
これにより図1のようにアラーム検知から措置検討までのAI処理を一気通貫に実施可能となります。
なおSTEP2で追加した措置検討AIは、
・LLMを用いることで過去の措置実績にもとづいた措置方法を生成する
・LLMが措置方法を生成する際に、措置実績の中のどの部分を利用したのか運用者に提示する
という特徴を有しています。
2点目)STEP1でリリースしたAIのさらなる高度化
異常検知AI・アラーム集約AI・故障箇所推定AIに関して、より複雑な事象への対応を想定した機能の高度化を実施しています。
STEP1の異常検知AIでは、図3に示すようにトラヒック量等が徐々に減少してくような故障に対しては、通常時との乖離が小さいため、異常を検知できませんでした。そこでSTEP2では複数の時系列データの関係性を用いた分析をすることで、このような異常の検知を可能としています。
またSTEP1のアラーム集約AIではアラームを故障毎に分類・集約し、その分類・集約結果を用いて故障箇所推定AIで故障箇所の推定を行っていました。しかし図4のように隣接装置で同時に故障が起こるような特殊なケースにおいては、両故障のアラームが混在し故障毎の関連付けが困難でした。そこでSTEP2では、ネットワークの装置構成等の情報を元に解析することで、隣接した装置での同時故障にも対応しました。
以上のような取り組みにより、自己進化型ZTOフレームワークのSTEP2ではSTEP1よりも多くの事象に迅速に対応可能といたしました。
今後の展開
今回リリースした自己進化型ZTOフレームワークSTEP2については、NTTグループ各社との実証実験を継続して実施しており、そこで得た課題を解決するよう自己進化型ZTOフレームワークの研究開発を続けていきます。
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