※[1][2]から一部引用
今後の人口減少等の社会環境変化やICTサービスの多様化といった変化に対応し、サービスを持続可能なかたちで発展できるようにするためには、サービスを提供・運用し始めた後、サービスの運用状況を的確に把握し、改善していくことが求められます。そのようなサービス運用の効率化やサービス価値の向上のため、ネットワークの計画・設計・構築や保守運用の業務において、①さまざまな情報収集、②収集した結果の分析、③分析結果に基づく修正指示・制御、というループを自律的に回す「自律制御ループ」の確立をめざし、Network-AI技術を活用したオペレーション業務の高度化や支援システムの検討をNTT研究所では進めています。
Network-AI技術の構築に向け、具体的には、故障などの運用トラブルが発生してから対応するというリアクティブ(事後)対応を、予防保全的なプロアクティブ(事前)対応へ変えていくとともに、仮想化への対応を含む自動化を進めて計画的に保守することが必要と考えています。当プロジェクトでは、予防保全化・自動化を実現するための具体的なコンセプトとして、プロアクティブ制御型ネットワークを提案しています。プロアクティブ制御型ネットワークは、潜在的な性能劣化リスク(故障・輻輳等)や需要変化を予見的・早期に検知し、事前の制御・早期自動復旧を行うことをめざしています。プロアクティブ制御型ネットワークにおける一連のオペレーションは、各種リスクの①監視、②分析、③制御・復旧のフェーズから構成され(図1)、各フェーズで必要となるNetwork-AIの要素技術について以下のように検討を進めています。
①性能劣化につながるネットワーク状態変化(輻輳や故障など)の予見的・早期の検知
②劣化要因特定や障害箇所の推定
③性能劣化を回避するための制御や早期復旧