ロボティックス

技術カテゴリ紹介

2020年,瞬く間に世界中に広がった新型コロナウイルス感染症により,私たちの価値観や常識は大きく変化しました.そのうちの1つが,仕事を実施する場所を1つの場所に固定しない,リモートでの働き方(リモートワーク)が一般的な概念として定着したことであると考えます.リモートワークの浸透により,これまで対面で行われてきたさまざまな業務が,必ずしもその場に赴かずに実施可能となることで,固定の場所での業務に伴う地理的,時間的な制約から解放され,居住地を自由に選択可能となったことや,これまでの移動時間を他の活動に充てられることなど,さまざまなメリットを享受することができるようになりました.一方で,エッセンシャルワークなどのリモートでの対応が難しい職種があること,リモートワークが可能な業務においても,遠隔化分散化によるコミュニケーション不全や心理負担増等の問題が顕在化するなど,必ずしもメリットばかりではないことも事実です.

私たちは,あらゆる業務において必要に応じてリモートという選択肢を持つことができる,リモートワールドの実現をめざし,リモートでの業務における課題解決に向けた「身体遠隔化技術」,遠隔地の操作者や現地の環境の変化の予測や遠隔地から操作に必要な現地の情報を把握するため,知識や経験と身体行動のつながりを解明し体系化する「身体行動体系化技術」について現在研究開発を進めています.

研究紹介

  1. 身体遠隔化技術
  2. 身体行動体系化技術

文献リスト

2023

論文

【身体遠隔化技術】

  1. 内田聡一郎,後藤充裕,瀬下仁志,“オンライン展示会での満足感・納得感を高める立体音響を活用した情報提示手法“,電子情報通信学会論文誌 D,Vol. J106-D,No. 12,2023 (to be appeared).

国内会議

【身体遠隔化技術】

  1. 後藤充裕, 内田聡一郎, 瀬下仁志,“対話開始時の受容性を向上するテレプレゼンスロボット制御手法の提案“, 信学技報, vol. 123, no. 180, MVE2023-21, pp. 39-44, Sep. 2023
  2. 後藤充裕,江崎健司,井上照久,瀬下仁志,平野貴也,”ウインドサーフィンの身体感覚再現プレイヤーにおける筐体牽引力を増幅再現するデバイスの提案”,第9回日本スポーツパフォーマンス学会大会 妙録集,pp.14,Aug. 2023.
  3. 籔内勉,後藤充裕,江崎健司,瀬下仁志,”HMDと物理アクチュエータを活用したウインドサーフィンシミュレータにおけるスピード体感の向上に関する検討”,マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO)シンポジウム2023論文集,pp. 227 - 232,Jul. 2023.
  4. 後藤充裕,内田聡一郎,瀬下仁志,”テレプレゼンスロボットを用いた対話開始時の受容性に関する検討”,信学技報,vol. 122,no. 440,MVE2022-52,pp. 20-25,Mar. 2023.
  5. 後藤充裕,内田聡一郎,瀬下仁志,“オンラインコミュニケーションの体験向上に向けた主観感覚の体系化の検討“,信学技報,vol. 122,no. 349,HCS2022-69,pp. 80-85,Jar. 2023.

【身体行動体系化技術】

  1. 塩田宰,高木基宏,熊谷香織,瀬下仁志,青野裕司,"手-物体の接触と物体状態を捉えた一人称映像行動認識.",第26回画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2023),Jul. 2023.
  2. 熊谷香織,高木基宏,瀬下仁志,青野裕司,"行動主の知識を活用した一人称視線推定手法の検討" ,第26回画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2023),Jul. 2023.
  3. Fanglu Xie,Motohiro Takagi,Hitoshi Seshimo,Yushi Aono,"Refining Line Art from Disentangled Aesthetic Features with Diffusion Models.", 第26回画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2023),Jul. 2023.
  4. 佐藤禎哉,高木基宏,古田諒佑,菅野裕介,佐藤洋一,"一人称視点映像を対象としたfew-shotアクティビティ認識.",第26回画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2023),Jul. 2023.

表彰

  1. 第9回日本スポーツパフォーマンス学会大会 学会賞:後藤充裕,内田聡一郎,瀬下仁志,”ウインドサーフィンの身体感覚再現プレイヤーにおける筐体牽引力を増幅再現するデバイスの提案”

2022

論文

【身体行動体系化技術】

  1. 熊谷 香織,高木 基宏,近藤 重邦,青野 裕司,and 小林 一郎. ”動詞固有意味役割ラベルを使用した制御可能な End-to-End 画像キャプショニング.” 情報処理学会論文誌, vol.63, No.12, pp.1884-1894, Dec. 2022

国内会議

【身体遠隔化技術】

  1. 宮原雅人,福田匡人,佐藤大祐,松村成宗,瀬下仁志,“End-to-End遅延が人型ロボットの遠隔操作に与える影響の評価“,第23回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(CD-ROM) ,23rd, ROMBUNNO.3P3-B01,Dec. 2022.
  2. 宮原雅人,福田匡人,佐藤大祐,松村成宗,瀬下仁志,“到達点系列情報と骨格情報を用いた動作予測“,情報処理学会研究報告,vol.2022-HCI-200,no.23,1-6,Nov. 2022.
  3. 内田聡一郎,後藤充裕,瀬下仁志,“立体音響を活用したオンライン展示会における満足感・納得感の向上“,信学技報,Vol.122,No.97,LOIS2022-8,pp.24-29,Jul. 2022.
  4. 籔内勉,井上照久,今井良太,瀬下仁志,”在宅勤務におけるプレゼンス状態の通知がコミュニケーションに与える影響の評価”,信学技報,vol. 122,no. 97,LOIS2022-5,pp. 7-11,Jul. 2022.
  5. 内田聡一郎,後藤充裕,瀬下仁志,“オンラインコミュニケーションにおける立体音響を活用した満足感・納得感向上の検討“,信学技報,Vol.121,No.423,MVE2021-88,pp.255-260,Mar. 2022.

【身体行動体系化技術】

  1. 熊谷香織,高木基宏,近藤重邦,青野裕司,小林 一郎,"動詞固有意味役割ラベルを使用した制御可能なエンドツーエンド画像キャプショニング.",第25回画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2022),Jul. 2022.
  2. 塩田宰,高木基宏,熊谷香織,近藤重邦,瀬下仁志,青野裕司."物体のアフォーダンスを用いた一人称映像行動認識.",第21回情報科学技術フォーラム(FIT2022),pp.179-180,Sep. 2022.

表彰

  1. 電子情報通信学会LOIS研究会LOISグッドプレゼンテーション賞:内田聡一郎,後藤充裕,瀬下仁志,“立体音響を活用したオンライン展示会における満足感・納得感の向上“
  2. 電子情報通信学会LOIS研究会LOISグッドプレゼンテーション賞:籔内勉,井上照久,今井良太,瀬下仁志,”在宅勤務におけるプレゼンス状態の通知がコミュニケーションに与える影響の評価”
  3. 電子情報通信学会MVE研究会MVE賞:内田聡一郎,後藤充裕,瀬下仁志,“オンラインコミュニケーションにおける立体音響を活用した満足感・納得感向上の検討“

その他

【身体遠隔化技術】

  1. 近藤重邦,佐藤大祐,後藤充裕,高木基宏,松村成宗,“人の身体性を伴う遠隔作業を実現する身体遠隔化技術”,NTT技術ジャーナル,vol.34,no.9,pp.17-20,Sep. 2022.
  2. 内田聡一郎,“リモートワークに関する動向調査および今後の考察“,NTT Engineers’ Festa 2022,2022.

【身体行動体系化技術】

  1. 高木基宏,“人の行動を理解するための映像認識AIライブラリ「身体行動理解エンジン」 “, NTT技術ジャーナル, https://journal.ntt.co.jp/article/22784.

2021

国内会議

【身体遠隔化技術】

  1. 宮原雅人,福田匡人,佐藤大祐,松村成宗, 西川嘉樹,“階層化Neural Processを用いた高解像度の部分画像補完“,信学技報,vol. 120,no.409,PRMU2020-74,pp.31-34,2021.

【身体行動体系化技術】

  • 古田諒佑,高木基宏,菅野裕介,佐藤洋一,"現場作業映像における作業指示マニュアル逸脱行動検知のためのデータセット.",電子情報通信学会パターン認識・メディア理解研究会,Dec. 2021.
  • 熊谷香織,佐藤禎哉,高木基宏,近藤重邦,青野裕司,"画像の状況を示すキャプションを用いた物体検出手法の検討.",映像情報メディア学会 2021年冬季大会,Dec. 2021.