私たちが利用可能なブロードバンドシステムにはいくつかの種類があります。そのなかでも代表的なものは、電話回線用のメタリックケーブル(銅線)を使ったADSL、ケーブルテレビ用の同軸ケーブルを使ったCATV、そして今、最も期待されている光ファイバケーブルを使ったFTTHなどがあります。
ADSL(非対称デジタル加入者通信線)とは、現在家庭に引かれているアナログ電話回線(ISDN回線は不可)を利用して、デジタルのデータを伝送する方式です。新たに線を引かずに、「ADSLモデム」を置くだけで利用可能で、電話と異なる周波数を使ってインターネット接続が行えるので、電話を使いながらインターネットに接続することができます。家庭からインターネット側に向けて発信(上り)する情報量より、インターネット側から家庭に向けて受信(下り)する情報量の方が圧倒的に多く伝送できる方式なので(上りと下りの伝送速度が違うことから)、非対称という名称がついています。
ケーブルテレビ(CATV)用の同軸ケーブルを利用して、デジタルのデータを伝送する方式です。テレビ信号と並行してデータを伝送できるため、テレビを見ながらインターネットに接続することができます。既にケーブルテレビを利用している家庭では、スプリッタやケーブルモデムを用意すればすぐにインターネットが楽しめます。ただし、CATV業者は1地域1業者と定められており、サービス内容が地域ごとに異なるので、どのCATVでもインターネットが利用できる訳ではありません。
上に紹介したブロードバンドシステムは銅線を利用していますが、さらに高速な伝送速度が実現できる光ファイバケーブルを利用してデータを伝送する方式です。光ファイバは、非常に純度の高い石英ガラスを直径0.125ミリに細く伸ばしたガラスの糸です。このガラスの糸の中を電気信号から光信号に変換された光の波が伝送されます。光ファイバを利用することによって、
1)ADSLやCATVに比べて一桁以上大きい伝送速度が得られる。
2)高電圧線やテレビやラジオ等の電磁誘導等の影響を受けにくい。
3)光ファイバの主材料が地球上に多量に存在する石英なので、銅に比べて資源問題が起きにくい
等のメリットがあります。
これらのメリットを生かして、将来は超高速な通信回線が家庭でも利用できるようになります。
これがFTTH (Fiber To The Home)です。