日常の音声コミュニケーションは「聞く」と「話す」で成り立っています。「聞く」と「話す」の目的はそれぞれ異なるため、音声コミュニケーションの中心的役割を果たす脳において、「聞く」と「話す」の処理は異なると考えられてきました。しかし、近年の脳機能計測の発展に伴い、脳において「聞く」と「話す」に共通な処理が存在することが明らかになってきました。本講演では、音声コミュニケーションの仕組みを解明するための脳機能計測研究を紹介し、人間の仕組みと音声認識や音声合成の信号処理技術との違いや今後の展望について述べます。