近年、情報通信技術(ICT)の著しい発展とともに、その心身への負の影響が指摘されています。そのため、機能性や能率性に代わる技術の評価指針として、ウェルビーイング(人や組織が持続的にいきいきと活動している状態)についての研究が盛んになりつつあります。本講演では、NTTコミュニケーション科学基礎研究所で検討が進められている、(1)人間科学に基づいた、ウェルビーイングを構成する要因の特定とその計測・モデル化について、(2)触覚に関する科学とデザインの発展について、(3)さらには他者の認知や他者との共感に触覚体験が及ぼす変容とウェルビーイングへの寄与について述べます。