視覚をだまし、質感を操作する

本講演では、脳の勘違いで起こる現象、いわゆる錯覚を利用した情報表示技術について議論します。前半では、画像中のテクスチャを連続的に変形させることによって、あたかも透明な液体が流れているような印象をつくりだすことに成功した研究例を紹介いたします。後半では、白黒の動画をビデオプロジェクタによって投影するだけで、実物体に見かけの動き印象を与えることのできる光投影技術「変幻灯」を紹介いたします。２つの話を通して、人間の錯覚を利用した情報提示の利点および考慮しなくてはならない点について議論いたします。