NTTアクセスサービスシステム研究所
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ANSL R&D Times

電波環境見える化技術

電波の穴をリアルタイムに見つけます

複数のスマホ端末からWi-Fi電波環境情報とスマホ位置情報を自動的に収集してクラウド上で統合して解析し、リアルタイムにマップ化することで、遠隔から無線不感地をリアルタイムに把握することができます。

背景

無線周波数は有限であるため、無線LANを効率的に利用するには電波環境をエリア端まで把握して、無線機器を最適に設定する必要があります。一方、電波環境は人混みや設備レイアウト変更など外部の影響により変化するため、エリア全体を簡易かつ継続的に実測する方法が課題です。本技術では、複数のユーザ端末から電波に関する情報を自動的に収集・解析し、時々刻々と変化する電波強度のリアルタイム・マップを作成することで、電波環境を見える化します。
概要

無線LANの効率的な利用には電波環境をエリア端まで把握して機器を最適に設定する必要がありますが、電波環境は外部の影響により変化するため、エリア全体を簡易かつ継続的に実測する効率的な方法がないことが課題でした。本技術では、複数のユーザ端末から無線に関する情報を自動的に収集・解析することによって、時々刻々と変化する無線環境のリアルタイム・マップを作成します。それによって、次のような見える化が提供可能となります。

 

①同一サービス(SSID)マップ → デッドスポットの”見える化”

②ターゲットAPのマップ    → 電波エリア端の”見える化”

③過去の指定時刻のマップ    → トラブル時の”見える化”

 

 

図1:電波環境見える化システムの概要

 

今後の予定
収集する電波環境情報と解析アルゴリズムを高度化して、電波使用率や通信端末数などユーザ体感に近い指標のマップ化を進めます。また、Wi-Fiのみならずアンライセンス帯無線への対応拡大や、電波環境情報に応じて機器を最適設定するシステムと連携し通信品質を改善する技術の実現を目指します。
担当者
無線アクセスプロジェクト 高度化無線LANグループ
小川 智明(主任研究員)
坂本 寛(主任研究員)
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