<災対用無線機器の適用領域再整理>
AS研では、昨今頻発する様々な災害や自然災害以外の故障の状況も踏まえ、将来の災対用無線機器の在り方を検討しています。現行装置の課題や次期装置への期待について事業会社(NTT東西)や現場運用者と意見交換したところ、災害の発生状況が昔と異なってきており想定を超える規模の災害もあり、適切な装置の選定判断が難しい状況があることがわかりました。さらに既存の災対用無線機器は、地上系/衛星系で適用領域が重複する部分があり、どの機器を適用するのがより適切か不明瞭な状態がありました。
AS研では、現行装置の開発主管としての技術知見に基づき、事業会社や現場運用者と意見交換しながら各装置の適用領域・救済事例について体系的にとりまとめました。
(1) 災対用無線機器の適用領域の体系化と救済パターンの分類
災害時における災対用無線機器の適用領域を明確にして、体系化しました。
また、利用シーンを4つの救済パターンに分類し、各パターンの救済方法を示しました。
(2) 救済事例のまとめ
救済パターンごとに関連する運用事例として、実際の災害時の適用事例をまとめました。
事例は、過去に大きな災害対応をした地域から収集し、2016年の台風10号や2018年の西日本豪雨等での対応状況も網羅しました。