ルーラルエリア(中山間地域や島嶼部など、ユーザ数の少ないエリア)は都市部に比べ世帯密度が低く、またブロードバンド加入率も低いため、光ファイバの適用が事業採算性の観点から困難という問題があります。
この問題を解決するため、ルーラルエリアにおけるNGN相当サービスの提供を目指し、0AB~J VoIPサービス、多チャネル映像配信および高速インターネット接続を1アクセス回線にて提供する「トリプルプレイ対応WIPAS」の加入者局装置を開発しました(図)。
本システムは装置価格の低減のため、IP特化のシステムとして設計し、アンテナ、高周波回路等の無線部、変復調部および信号制御部の全機能を含む一体化装置を実現しました。
また、1つの装置で基本的に1GHzの周波数をカバーし、国内利用、海外利用において装置の共通化が図れるようにしました。
トリプルプレイ対応WIPASは、従来のWIPASでサポートしていた変調方式として、QPSK、16QAMに加えて新たに64QAMをサポートし、実効的にはイーサフレームレートで上り下り合計最大180Mbit/sのスループットを実現しました。
また、音声、映像およびデータのトラヒックの同時伝送を想定し、8クラスの優先転送制御を行うQoS(Quality of Service)制御機能、ある特定のユーザが帯域を占有してほかのユーザが通信を行えない状況を防止するための公平性制御を実現しました。