1.9GHz帯無線アクセスシステム(λシステム)は、 アナログ電話サービスの提供を中心とした、無線を用いたアクセスシステムです。加入者が点在している平原地帯や、離島などの小規模需要が数多くある地域など、国内の高コスト地域向けの老朽メタルケーブルの更改ツールとして開発しました。
本システムは、ARIB((社)電波産業会)により標準化された、PHS(Personal Handy-phone System)と同様のエアインタフェースを用いており、他のFWA(Fixed Wireless Access: 固定無線アクセス)システムに比べて装置コストが安価であり、早期かつ経済的に通信設備を構築することが可能です。
λシステムは、主に無線制御装置(WAC)、無線基地局(WCS)と無線加入者局(WSU)で構成されます(図)。WAC-WCS間は、有線/無線のエントランスが利用可能です。
本システムでは海外展開も視野に入れ、ノードインタフェースには、国際的なデファクトスタンダードであるV5.2(ITU-T G.965準拠)インタフェースを採用しました。
WACと交換機の間にあるVインタフェースプロトコル変換装置(V-PTE)は、NTT多重インタフェースを終端し、V5.2インタフェースへ変換する装置です。WCSから見通しのない場所や、受信レベルの低い場所で本システムでのサービスを可能にするため、無線アクセス加入者局中継装置(WRS)も開発しました。
本システムは、1998年11月から帯広地区でサービスを開始しました(STEP1:アナログ電話サービスのみ)。
また、ISDN、専用線サービスもサポートする本格導入システム(STEP2)を開発し、2000年1月から徳之島地区においてサービスを開始しました。
本システム開発は、ARIBより電波功績賞ARIB会長表彰を受賞しました。