TsuKuBa 年史-TsuKuBa History -

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無線LAN優先転送パラメータの動的更新技術

2007年(平成19年)

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無線LANを利用した通信において、Web閲覧などのデータ通信と同時にIP電話や動画のストリーミング配信を実行し、これらの通信品質を保証するためには、リアルタイム性(即時性)が要求される音声や映像をデータよりも優先して転送することが必要です。
IEEE 802.11無線LANにおけるQoS(Quality of Service)機能(品質保証機能)の提供を目的とした標準規格が、IEEE802.11eです。
802.11eでは優先制御方式の一つとしてEDCA(Enhanced Distributed Channel Access)が規定されています。
1つの無線LAN AP(アクセスポイント)に接続される端末の収容台数を増加し、効率的に通信を行えるようにするためには、端末間のアクセスにおいて衝突回避を行うための待ち時間などの優先転送パラメータを最適化することが必要です。
優先転送パラメータはEDCAで規定されていますが、研究所では、このEDCAパラメータを通信状況に応じて動的に更新することにより、優先転送を効率的に行う方式を開発しました(図1)。

EDCAパラメータ動的更新方法

図1 EDCAパラメータ動的更新方法


開発技術を適用した場合の収容台数の改善効果の例として、IP電話を利用した場合について計算機シミュレーションで評価した結果を図2に示します。
開発技術である動的更新技術により、従来方式(DCF:Distributed Coordination Function)と比較しても物理伝送速度が高い場合で20%程度、増加できることが確認されました。

VoIP端末の収容台数

図2 VoIP端末の収容台数

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